【一問一答】レイエス 日本ハム愛を語る「僕の場所をつくってくださる限りはずっとファイターズにいたい」
打撃練習を終え、笑顔のレイエス=撮影・松本奈央
本塁打&打点の2タイトルを獲得
日本ハムのフランミル・レイエス外野手(30)が6日、報道陣の取材に応じ、レギュラーシーズンの総括、ポストシーズンへの意気込みなどを語った。本塁打と打点の2冠に輝いたパワーヒッターは、チームメートへの感謝の言葉を何度も繰り返し、日本野球、そして日本ハムへの愛を語った。会見での一問一答は以下の通り。
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―本塁打王と打点王、おめでとうございます
「(日本語で)ありがとうございます」
―来日2年目のシーズンはどのようなものだったか
「とても良いシーズンになりましたし、満足できるうれしい結果になったと思います。やはり周りからの支えが大きかったですね。特にチームメートだったり、コーチ、スタッフの皆さん、そしてファンの皆さん。シーズン通してずっと僕のことを応援してくれたので、そのおかげでずっと高いモチベーションを持って、野球と向き合うことができました」

―32本塁打、90打点という圧倒的な数字を残した
「まずは自分に自信を持って。あとはトレーナーさんから、これをやったらどうかと言われたことを、自信を持って、彼らを信頼しながら取り組む。これが大きかったと思います。この2つがあれば、神様も自分のことを見てくれると思うので、絶対に良い結果、それなりの結果が付いてくると信じていました。ただ来年に向けてはもっともっと準備して、もっと良い結果を残せるように頑張りたいと思います」
―ファイターズで過ごした2年目のシーズン。チームとの関わり方に変化はあったか
「本当に彼らに囲まれている、その時間がとても幸せです。チームのコーチであったり、選手であったり、スタッフの皆さん、彼らの全てが、僕にとって本当に家族のような存在です。実際、普段は家族が恋しくなることはあるんですけれども、ただ自分がクラブハウスにいて、彼らと一緒に過ごす時間は、家族を恋しくなくなります。日本に来た時は、本当に日本に来るという決断をしたことは、自分にとって良かったのか、悪かったのかと、ちょっと考えていたんですけど、今は自信を持って言えます。本当に日本に来て良かったです」
―ファイターズ愛を語る場面も多いが、チームのことをどのように思っているか
「やはり競争心がすごく高いなというのは思います。それは相手チームに対してもそうだし、自分たちの中でもそうだと。勝つことに対して貪欲だったり、その都度その都度、結果はどうであれ、あした、きょうよりも良い結果を残そうという、そういう盛り上がりを常に感じるチームだと思います。そういうところで、常にベストなパフォーマンス、そしてファンの皆さんにベストなショーを届ける、そういう意識が非常に高いので。ほかのチームがどうかというのは分からないので言えないですけれども、でもファイターズはそういう意味では、本当に特別なチームだと考えています」

―今年の2位というチーム成績をどう感じているか
「個人的には悪くはないと思っていますね。もちろん優勝を目指してやるに越したことはないですし、僕もそれを望んでいるのは大前提ですけど、ただ、まず僕の中で一番の優先順位は、まずプレーオフに進むことで、それがまず大事というふうに、個人的に考えています。それを達成したので良かったと思いますし、今年、シーズンを通していろいろなことがありました。例えば(伊藤)大海さんも僕も、清宮幸太郎も素晴らしい成績を残しましたけど、そんな僕たちでも、たまには良い時もあれば、たまには調子が低減してしまう時期もありました。本当に、まさにジェットコースターのような1年だと思いますけれども、でもそれはあって当たり前のことですし、あとは監督も、僕たちのためを思っていろいろな調整を効かせてくださいましたし、時にはアドバイスをくださいました。僕に対しては、個人的には去年よりも、監督からの指示を熱く受けることができたと思います。時には、ちょっと驚くような采配もありましたけれども、でもその采配が終わった後は、チームのためなんだと僕たちも思える、そういう決断だったので、そういう意味で、僕は悪くなかったシーズンだと思います」
―ソフトバンクとは次のステージでも戦う可能性がある。勝ってやる、という闘争心、意識は強く持っているか
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「言うまでもなく、ソフトバンクは選手のレベルが高いです。打者だけではなく、リリーフ陣も安定していますし、もちろんそれ以前に、その前に出てくる先発投手も素晴らしい選手でいっぱいです。チーム全体のレベルがもちろん高いですけど、かといって、彼らに対して恐れることは何もないです。しかも恐れることだけではなくて、うらやましがることも何もないと思います。僕たちは今まで、去年のプレーオフで彼らに負けてからずっと、それから取り組んできたことをずっと続けて、その延長線上としてプレーオフで戦い、闘志を込めて一試合一試合、戦っていくだけだと思います。去年の自分たちとは、進化しているという意味で異なると思います。僕は心からそういうふうに思いますので、もう何がなんでも彼らに勝ちたいです」
―レイエス自身の進化した点はどういったところか
「オフシーズンで、ドミニカで適切な準備をしてきた。これがたぶん、僕の変化の一番の要因だと思います。ポイントしては、自主トレの間でもピッチャーと対戦する。2024年のシーズン前、僕が初めて日本に来る前は、ドミニカの冬季のシーズンでプレーしたんですけども、2024年の冬は10試合だけに抑えて。でも自主トレの中では、もともとアメリカで結果を残しているピッチャーに手伝ってもらって、たくさんバッティング練習をしました。でもメカニクスの変化は特にないですし、冬に自主トレをして過ごしていた時は、チームが必要としてくれている場所で結果を残す、ファイターズの場合はDHとして迎え入れてくれたと思うので、DHとしてチームのためになるために、何が必要かというのをよく考えて過ごした今シーズンでした」
―今シーズンで一番、記憶に残っている打席、試合は
「いくつもあるので絞りづらいですね。ただ強いて挙げるとしたら、エスコンフィールドで打った楽天戦(7月6日)、藤井投手ですかね。満塁ホームランだったんですけど、まずそれが今、パッと浮かびました。あとは、ちょっとどこの試合か覚えていないんですけど、千葉ロッテの誰かから打ったホームランの軌道も結構、頭に残っています。あとはオールスターゲームの第1打席、これはもう本当に記憶に残ります。もちろん勝負の試合ではないんですけど、自分が打席に入った瞬間に、普段は敵チームなんですけど、その時に限っては、全てのパ・リーグファンの方々が自分の応援歌を歌ってくれたので、あの打席は非常に感動しました。自分の打席を振り返るのがすごい好きで、移動の時、タクシーだったり飛行機、いろいろ乗りますけど、その間でも、シーズン中だけではなくて、シーズンの前のオープン戦の時から打ったホームランをずっと見るんです。何回見ても飽きないです」
7月6日の楽天戦、二回1死満塁、逆転満塁本塁打を放ったレイエス
―いろいろなパフォーマンス、日本語もたくさん披露してきた。これから披露したいと考えていることはあるか
「特に何か考えていることはないですね。本当にまず避けたいのは、周りの人からいろいろなことを期待されて、それをプレッシャーに感じて、本来の自分が出せなくなる。これが一番、怖いですね。なので、もう本当に僕は、その都度その都度、ベストと思った形でチームのために貢献する。それだけだと思います。やはり日本で結果をたくさん残したい。『日本で』と言う必要があるの分からないです。なぜかというと、これから僕は、もう日本でしかプレーしないと考えています。ファイターズが僕の場所をつくってくださる限りは、ずっとファイターズにいたいですし、何がなんであれ、本当に日本で引退するというふうに決めているので、この地でできるだけのことを残りの時間、尽くす。それだけです」
6月8日のDeNA戦、五回1死、同点弾を放ち、パフォーマンスを見えるレイエス
―かかとの状態はどうか
「100%。(日本語で)ごめんね(笑)。自分が198センチで、体重もそれなりにある大柄の選手ということで、やはり疲労がたまったりとか、出場機会がずっと続くと、たまにそれがかかとにくる、響いてくるというのは事実ですけれども、それを踏まえてこのオフにサントドミンゴ(ドミニカの首都)で、しっかりとまず体づくりをしてくる。これがたぶん次の課題だと思います。痛みの軽減のために、例えばそれに役立つ体づくりをしたりとか、このオフシーズンを有意義に過ごしたいと思います」
―クライマックス・シリーズへの意気込みを
「先ほど言ったことと一緒です。もう何も僕たちは恐れていないので、思い切ってプレーするだけです」
―現時点で一番、好きな日本語は
「(日本語で)たぶん、今、おなか空いた。いっぱいあるので、なかなか絞ることはできないです。あとは、単語はたくさん覚えたんですけども、その単語を活用させたり、あとは接続詞で一つの文章につなぎ上げること、これがまだできていないし、日本語に関しては難しいかなと思うんですけれども、ほかの人たちが言っていることを聞いていれば、いつかは身に付くのかなと思います。これからもたくさんいろいろな言葉を覚えていきたいと思います。あと、日本語で話されているんですけれども、それを通訳なしで理解できることが増えました。今のインタビューの中でも、恐らくこう言っているのかな、というのが分かったところがちょくちょくありました」
―タイトル獲得コメントに「メンタル面で成長」という言葉があったが、どういった点が成長したと感じたか
「去年一回、抹消になって鎌ケ谷に行ったんですけど、鎌ケ谷に行くとなった時、すごくメンタル的に苦労しました。そもそもネガティブになりましたし、頭の中にいろいろなことがよぎって、どう整理しようとすればいいのか分からない状態だったんですけれども、そういった時に、あらゆる人たちから助けてもらいました。元ファイターズの加藤豪将選手、現役で一緒にやっているマルティネス選手と、あとは副本部長の岩本さん。この3名の方からいただいた言葉、サポート、支援がなければ、もう一回、頑張ろうとなれていなかったかもしれないです。実際に3つか4つぐらいのインスタグラムの投稿で、その感謝を伝えるためのコメントを残したかなと思いますし、本当に彼らのサポートがなければ、今の自分はないというふうに思っています」

―オリックスの宮城をはじめ、強力なピッチャーとの対戦が続くが、CS初戦までの期間で技術的に調整したいことなどはあるか
「宮城投手だからといって、あとはほかの誰々だからといって、自分が新しくすることは特にないです。その都度、その投手へのアジャストは必要かもしれないですけれども。例えば試合で、宮城投手が出てきました。『ワオ、宮城だ。頑張ろう』。そういうふうにはならないです。そもそも普段、自分のバッターとしてこだわっているプラン、計画があるので、それを継続する。もうそれだけですね。相手も良いピッチャーですけれども、自分も良いバッターだというふうに信じて、シンプルな執念で試合に臨みます。やはり試合の時は、ポジティブにいること。『宮城投手いるな、きょうも良いピッチャーだな』。こういうふうにネガティブになった時点で、終了だと思います。やってやるんだ、という燃えるような強い気持ちで挑むことが大事だと思っています」