【一問一答】清宮幸太郎 チームを引っ張る自覚が芽生えたプレーを語る「ボスに次の日、言われました」
打撃練習をする清宮幸=撮影・松本奈央
リーグ2位の打点&安打数
日本ハムの清宮幸太郎内野手(26)が6日、報道陣の取材に応じ、レギュラーシーズンの総括、ポストシーズンへの意気込みなどを語った。今季はタイトルにこそ届かなかったものの、安打数、打点でリーグ2位の数字をマーク。勝負強さを見せつけたスラッガーの一問一答は以下の通り。
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―2025年シーズンを振り返って
「最初に出てくるのは、2位で悔しいな、ということです」
―今季はさまざまな成績でキャリアハイを更新した
「大きなけがなく1年間やり通せたのは良かったかなと思いますけど。全体的な数字としては、確かに打点(65)とかも多かったかもしれないですけど、望んでいた数字ではないので。ホームランも打点も、もっと伸ばせたかなと思います」
―最多安打のタイトルまであと1本だった
「きょう、実はあともう1試合あった、みたいな夢を見ました(笑)。もっと早く言ってよ、みたいなことを言っている夢を見ました」

―それぐらいタイトルへの思いがあったということでは
「あったんですかね。あったのかもしれないですけど。実際1本差でしたけど、僕があの日、追い付いていたら、村林さんも、もう1本ぐらい打っていたかなと思うので。そういうものですね」
―打点もレイエスに次いでリーグ2位。チームの勝利に貢献することができたのでは
「得点圏(での打席)とかは燃えますし、みんながつくってくれたチャンスであったり、ファンの皆さんの声援とか期待であったりというのが、僕を後押ししてくれたかなと思います」
―3年ぶりに規定打席に到達。チームトップの138試合に出場。1年間、出続けて見えた景色は
「試合に出続けるのはすごく大切なことだと思いますし、けがなくやれてきた証拠だとも思いますし。またチームを引っ張っていかなければいけないというか、プレーでも背中でも引っ張っていかなければいけないな、というのをあらためて感じました」
―印象に残っている試合はあるか
「(9月13日の西武戦で)サヨナラを決めたのは、やっぱりうれしかったですね」
9月13日の西武戦、延長十一回2死満塁、サヨナラ打を放った清宮幸(右から2人目)
―自身にとっても2年ぶりのサヨナラ打だったが、その時はどういう思いだったか
「あそこで決めなければ、同点だったと思いますし、時期も時期だったので絶対に勝ちたかった。いろいろな意味でうれしかったです」
―9月の月間打率.322を記録。優勝を争う終盤戦の中で調子を上げられた要因は
「日々のケアであったり、けがをしないために、ずっとシーズンを通して体づくりをやってきた成果でもあるかなとは思うので。終盤に疲れをためずにできたのも、いつもケアしてくださっているトレーナーさんのおかげだったり、そういうのがすごくあると思います」
―昨年までと比べて成長できたと感じることは
「いっぱい試合に出たところじゃないですかね。そこだと思います」
―さらに上積みしていきたいところ、伸ばしていきたいところは
「全部ですね。守備もそうですし、バッティングも。やっとちょっと最後に上がってきたんですけど、シーズンが終わって自分の映像とかを振り返りましたけど、やっぱりもっと打っておけばよかったなというか、もっと打てたなと思う時がいっぱいあった。来年は最初からずっと良い状態をキープしたいな、というのは思いますね」
―チームは優勝争いを演じた。昨年との違いや、成長したと感じた部分は
「今年もですけど、いろいろな選手が、ずっと出られない中、たまに出たりしてる時でも、ちゃんと結果を残したり、アピールしたり、そういうのがすごくあったので。そのおかげで勝った試合も何試合もありましたし、そういう一瞬のチャンスをものにする、みたいな気持ちというか姿が、こういう結果につながっているんじゃないかなと思います」
―その中で、チーム内で自身が果たした役割はどういうものだったか
「後半は、良いところで打つということであったり、頼りになるバッターになりたいという思いで、ずっとやっていたので。うまくいくことばかりではなかったですけど、前半に比べたら良いところがあったので、そういうところは良かったなと思います」
―これからチームを引っ張っていこうという思いが出てきたか
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「一回、京セラで走塁ミス(9月6日のオリックス戦)した時に、ボス(新庄監督)に次の日『おまえがああいうことやっちゃダメだろ』と言われましたし。たぶんボスからしたら、リクエストうんぬんの話ではなくて、僕がああいうプレーをしたこと自体が、たぶん引っ張る上でダメなんじゃないか、というところを伝えたかったと思う。そういうプレーの部分であったり、当たり前のことをちゃんとやるというところを、これからも続けていければいいなと思います」
―いよいよポストシーズンが始まる。クライマックス・シリーズへの意気込みを
「短期決戦で、一瞬の隙とかミスとか、そういうところで相手にやられてしまうと思いますし、先を見据えて戦うとかは、あまりできないと思うので。去年のリベンジをしたいと言いたいところですけど、バファローズがめちゃくちゃ強いので、一戦必勝でやっていくしかないかなと思っています」
―オリックスとの今季の対戦成績は、12勝12敗1分と五分だった
「ファンの皆さんの声援を頼りに頑張ります」
―今季のオリックス戦では打率.308をマーク。良い印象があるのでは
「ないっすね(苦笑)。(3割を超えているのを)全然、知らなかったです」
―ファイナルステージでは、昨年敗れたソフトバンクが待ち構えている。そこへの思いは
「正直、一戦必勝という感じなので、あまり先を見たくないなというところはあります。でも去年の経験をしているということは、すごく大きいと思うので。勝ち進んでも、去年とは一味違う僕たちになっているんじゃないかなと思っています」
―昨年、ファイナル進出を決めた試合でのヒーローインタビューは覚えているか
「はい、覚えています」
2024年10月14日のCSファーストステージ・ロッテ戦、ヒーローインタビューで〝やったぞー〟と叫ぶ清宮
―ポストシーズンに懸ける思いには、特別なものがあるか
「今度は最後まで勝っていきたいです」
―昨年の涙のヒーローインタビューではファンへの思いも語っていた。今年の戦いを前に、あらためてファンに伝えたいことは
「今年、すごくファンの力を感じたのが(9月上旬、オリックス相手に)京セラで3連敗して、その後、エスコンに帰ってきた時に(ソフトバンクに)勝ったんですけど、やっぱりファンの力はすごいなと。僕たちもスイッチの入り方も全然、違いましたし、戦っている高揚感というか、背中を押されている感じをすごく感じた。ホームのアドバンテージってすごいなと思いましたし、皆さんの力は本当に僕たちを、知らず知らずのうちに高めてくれているんだなと、あらためて思いました」
―5日に新庄監督の5年目の続投が正式に発表された。率直にどのように感じたか
「早く優勝しろよ、と思っていると思うので(笑)。ボスが僕たちを見限らないうちに、早く優勝したいです」
―新庄監督の就任後、2年連続の最下位から2年連続2位、そして今年は優勝争いをするまでに成長した。監督とのこれまでを振り返って
「僕だけじゃないですけど、本当にたくさんの経験をさせてもらって、ここまで来ていると思いますし。その経験をさせてくれた恩というか、成長したところを、みんなで来年はもっと見せたいと思います」
―新庄監督に見せたい景色は
「優勝しかないです」
―クライマックス・シリーズに向けての調整は、一息入れて再び上げるようなイメージか
「そうですね。きのう東京で、いつも行っているところで治療とかをして。結構がっつりほぐしてというか、張りとかもいったん落として、もう一回ちゃんと1週間後にピークを持ってこられるように、という調整はしました」
―昨年の福岡での戦いで、こういうことができたのでは、こういうことが生かせるのではと感じたことはあったか
「去年の雰囲気であったり、去年やられているという思いだったり、そういうところがあると思うので、ペイペイドームの圧倒される感じというか、そういうところには慣れているんじゃないかなとは思います」
―昨年までと比べて、中堅、左翼方向へのヒット性の当たりが多くなっている。自分自身ではどう捉えているか
「今年の最初とかも全然あまり良くなくて。最後の方からは、センター返しのバッティングをしっかり意識するような感じで、(調子が)上がってきたので、その練習の意識が打球方向に表れているんじゃないかなとは思います」
―これまでのシーズンでも、センター返しを意識したタイミングはあったか
「札幌ドーム最後の年(2022年)とかは、結構ずっとセンターに低いライナーみたいなのを意識していて。でもそれがだんだん合わなくなってきたので、変えていたんですけど、たぶんそろそろそういう時期なのかな、みたいな。そういう体の時期なのかな、みたいに思ったので、ちょっと戻してみよう思って、センターにライナーというイメージでやっていました」
―レイエスなど、後ろを打つ選手の層が厚い中で、つないでいくことを意識したのか
「いや、そういう感じではないですね。自分のためです」
―それ以前はセンター返しではなく、どういう意識だったか
「ホームランというか、引っ張って良い打球を打とうと思っていました」
―ホームランが少ないという話をしていたが、そのへんは自身でも物足りなさを感じたか
「ありますね。最初の方とかも(打撃が)ずれていたので、あまり率も残らないし、そりゃそうだなという感じで。率も残れば、ホームランも勝手に増えるというイメージなので。でも今年、(西武の)今井さんから逆方向に打ったりとかしたのは、すごい自信になったというか、あんなのが打てるんだ、と思ったので、良いところもあったかなと思います」
―最終打席での左中間への二塁打を今季の集大成と語っていたが、手応えのある安打だったか
「そうですね。前半にはないようなヒットでしたし、ああいう打球を打てたのは良かったです」
―今年の成長を感じた一打だったか
「成長というか、今年の僕の形かな、という感じですかね。たぶん年によっていろいろとあると思うので」

―理想としては、バックスクリーンや左方向にもホームランを放り込めるようにしたいか
「そうですね。もっと楽になるかなとは思いますし、ホームランも増えるかなとは思います」
―これまでは右翼方向へ打つ形が多かったが、徐々に左方向にも打てるようになってきているか
「まあ、その時の自分の体次第というか。引っ張って長打が出る時期もこれから来ると思うし、今みたいな時期もあると思うし。その時に合わせて、良いものを探せればなと思います」