松本剛 今季引退の阪神・原口文仁から継ぐ〝帝京魂〟 タイトル獲得時にもらった贈り物は自宅の玄関に…
2024年5月30日交流戦、試合前練習で阪神の原口(左)と会話を交わす松本剛
苦難を乗り越えた2つ上の先輩から
日本ハムの松本剛外野手(32)が、今季限りで現役引退する阪神・原口文仁内野手(33)の〝帝京魂〟を継いでいくことを誓った。
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引退セレモニーで胴上げされる阪神の原口
大腸がん手術など苦難を乗り越えて16年間プレーした帝京高校の2学年先輩からは、引退報道が出る前に連絡があった。「帝京のLINE(グループ)で引退しますと来ていて、早く教えてもらいました」。2009年夏の甲子園には、ともに主力として出場。「1(年)、3(年)なので現役時代はそんなにめちゃめちゃ接点があるわけではない。上下関係は比較的あったけれど、すごい優しい先輩でした。超真面目。努力の人だなとめっちゃ思いますね。本当にずっとバットを振っているイメージ。すごい人格者です」。
帝京時代から変わらない努力の天才 忘れられない制服姿での…
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原口といえば、埼玉・寄居町の自宅から高校まで約2時間かけて電車通学したことで知られている。「本当に僕が見た中で一番練習していた。始発に乗っても朝練に間に合わない。聞いた話では最寄りではない大きい駅に(車で)送ってもらって、朝練に間に合わせていた。家に帰ってからもバットを振っていたと聞いたこともあります」。共通の知人らから聞いた、努力家エピソードは山ほどある。
自身が目撃した忘れられないシーンもある。「3年生は僕ら(1年生)よりちょっと早く帰る。僕らが風呂に入っていなくて部室にいたら、原口さんが制服に着替え終わって、帰るのかなと思ったら急にバットを持ち始めて、部室の真ん中でいきなりバット振り出して、何をしているんだと思ったけど(笑)。何か自分の中で気付いたんだろうなって、その姿を見たときに何か気付いたらやらないと気が済まない人なんだなと思った。その後、プロに入っていろんな記事を読んでいたら、(その行動が)リンクしてきた。高校の時から変わっていないなって。ああいう姿がプロに入っても、まんまなんだと思った」。

「リアル野球BAN対決」で共演
プロ入り後はリーグが違うこともあり、顔を合わせる機会は多くなかった。原口は度重なる故障で育成契約も経験し、1軍定着後は大病も患った。松本剛自身も2軍での下積み生活が長く、ブレークしたのは2022年だった。オフにはプロ11年目で首位打者に輝き、テレビ朝日の正月恒例特番「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」の人気企画「リアル野球BAN対決」で共演。タイトル獲得を祝して、「首位打者、おめでとうと書いてある書をもらいました」。粋なプレゼントは、自宅の玄関に飾っている。
今月2日に行われた原口の引退セレモニーには、「帝京魂!」とメッセージを添えた花を贈った。「(現役選手の中で)帝京(出身者)が減っちゃっているので。僕は1年でも長くやりたいなと思います」。プロ14年目の今季は、2軍降格を経験するなど苦しいシーズンを送っている。さまざまな困難を乗り越えてきた先輩のように、不屈の精神ではい上がる。
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