高校野球
2025/10/02 19:30 NEW

甲子園春夏5度出場の古豪・苫小牧東が28年ぶりの全道切符【秋季室蘭支部】

28年ぶりの全道大会進出を決め、喜ぶ苫小牧東ナイン=撮影・西川薫

■秋季全道高校野球室蘭支部(10月2日、苫小牧・とましん)
▽Aブロック代表決定戦 苫小牧東4-3浦河

全道は2回戦で立命館慶祥と対戦

 〝ガタ高〟の愛称で親しまれる苫小牧東が、昨夏の支部初戦でタイブレークの末に敗れた浦河に4-3でリベンジ。選抜甲子園出場を射止めた1997年秋の準優勝以来となる全道切符を手に入れた。試合後には札幌市内で12日に開幕する全道大会の組み合わせ抽選会が行われ、13日の2回戦で立命館慶祥と対戦することが決まった。

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先輩たちのためにもうれしい勝ち方

 古豪が復活の凱歌だ。1点差に迫られた九回2死満塁。一打サヨナラのピンチが続いていたが、最後はエース藤川晴矢(2年)が遊飛に打ち取りゲームセット。「9番・二塁」で先発出場した今野和雄主将(2年)は四回と六回に2本の適時打で3打点をたたき出し、「先輩たちも浦河に逆転負けして全道を逃した。そういう面では一番うれしい勝ち方ができた」と声を弾ませた。

右翼芝生席の全校応援を背に力投した苫小牧東の藤川

 

全校応援を背にリベンジ

 苫小牧東の校舎はとましん球場の左翼後方に位置。大会中には歓声が風に乗って教室まで聞こえてくる。今野は「先輩方の負けた姿を見てきてたので、そういう時に(他校の)歌が流れてたりすると。やっぱちょっと心残りはありますね」。この日は、右翼芝生席で全校応援が声援を送った。「全校応援で集中もできたし、力になって打つことできた」。勝利の校歌を歌い終えると、ナインは応援席に向かってガッツポーズして駆け出した。

右翼芝生席で声援を送った苫小牧東の全校応援

 

負けない、我慢の野球がテーマ

 3季通じても全道規模の大会出場は、2015年の南北海道大会以来。OBで16年に母校に赴任した前川護監督(48)にとっては、初の支部代表。「新チームになってから、ずっと負けない野球、我慢の野球をテーマにしてやってきた。試合開始の時も何点取るか分からないけど、1点差で勝つんだよって話をしてきて、それを最後まで全員でやりきってくれた。まずはひとつ、やりたい野球ができるようになったので、生徒がすごく頑張ってくれた」と、目を細めた。

他界した義母が背中を押してくれた

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