東農大北海道が全勝V 右肘手術から復活したプロ注・神宮僚介が4度目の神宮球場狙う【道6大学野球】
プロ志望届を提出した、東農大北海道の神宮は先発して5回2安打と試合を作った=撮影・西川薫
■道6大学野球秋季リーグ戦 第5節最終日(9月21日、苫小牧・とましん)
▽東農大北海道9-2函館大※七回コールドゲーム
※七回コールドゲーム
リーグ戦通算39度目の優勝
東農大北海道は函館大との全勝対決に2連勝。10戦全勝でリーグ戦通算39度目の頂点に立った。昨年7月に右肘のトミージョン手術からこの秋に復帰した、プロ注目147キロサイド・神宮僚介投手(4年、群馬・桐生一)が先発して、5回2失点にまとめると、打線が五回までに10安打6得点と大量援護した。2年ぶりの明治神宮大会出場を懸けて、10月12日から札幌円山で行われる札幌6大学勝者と北海道代表の座を争う。
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大学野球の聖地4度目の正直へ、まずは挑戦権をつかんだ。「(神宮では)今まで3回登板させてもらって、思うようにいかなかったのが2年生の時で、うまくいきかけててケガしてしまったのが3年生の時。なんか、やりきったというか、投げきった感じが全くしなかった。モヤモヤする形で終わってしまったので、これから始まる代表決定戦は絶対勝ってリベンジしに行きたいです」。再び大舞台へ舞い戻ることを誓った。
日本ハムの木田優夫GM代行ら視察
この日は自己最速まであと1キロに迫る146キロをマークするなど、被安打3の2失点。「チームの優勝が懸かった大事な一戦を任せてもらった。2失点してしまったが、それでもチームのために腕を振って投げることができたので、良かった。自分としては、きょうはあまり調子が良くなかったので、逆にそこまで(146キロが)出ているのは自分の中でひとつ段階が上がってきたということ。地道にリハビリを積んできた結果がこの秋につながったと思うので、そこはやってきて良かった」。この日は80球、もしくは5回の制限がかかっていたが、スタンドには、日本ハムの木田優夫GM代行や大渕隆GM補佐兼スカウト部長ら4人態勢で視察に訪れた。
昨年の全日本選手権試合中に感じた違和感
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どん底から這い上がった。昨年6月の全日本選手権1回戦の天理戦に先発。試合中、右肘に違和感を覚えた。「最初は違和感から、ただ張っているだけだろうと思っていたのが、だんだん痛みに変わってきて、もう最後に降板したぐらいの時は本当に痛かったです」。五回までに5点を失い、2死満塁で降板。チームも1-8で敗れた。
地元・群馬でトミージョン手術
7月末に地元・群馬でトミージョン手術を受けた。「保存療法も考えたが、再発する可能性があった。だったらこの際思い切って、今後を見据えて手術しようと」。8月末に秋のリーグ戦が開幕。実家でギプスをしながらインスタライブで試合を見ながら「もうなんだか何やってんだろうな」と気持ちが切れそうになったが、画面の向こうで奮闘するチームメートの姿に「元気をもらった。それがあったから、9月に網走に帰ってからのリハビリはきつくなかったですね」。復活を信じ、地味でつらいリハビリを乗り切った。
今年3月の沖縄キャンプで手術後初のブルペン入り。リハビリも順調に進み、春のリーグ戦に間に合うかと思われたが、落とし穴が待っていた。「ケガしないようにショートアーム気味でリハビリを積んで。また痛みが出るかもしれないので、痛みがなるべく少ないような投げ方をしていたらスリークォーター気味になってしまった。それだと持ち味が消えてしまうので」。フォームの修正に時間を費やした結果、8月23日の秋季リーグ・旭川教育大戦で自己最速の147キロをマーク。戦列に復帰した。
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学生生活最後のリーグを制し、自らの名字が大会名にも入っている明治神宮大会北海道代表決定戦へ駒を進めた。「よく言われるので、多少意識します。同じ名前だからこそ、神宮に行って活躍したい気持ちはある。4度目なので、そこは絶対にやらなきゃいけない」。過去3度の全国大会での登板は全て敗戦。忘れ物を取り返しに、2年ぶりの神宮切符をなんとしてもつかみとる。
リーグ優勝を決めた東農大北海道ナイン=撮影・中島聡一朗