F伊藤大海の母校北洋大が休部 最後は13人で勝利締め【道6大学野球】
最後の試合結果をバックに記念撮影する北洋大の大滝監督(前列中央)と選手たち=撮影・西川薫
■道6大学野球秋季リーグ戦 第5節最終日(9月21日、苫小牧・とましん)
▽旭川市立大1-4北洋大
有終飾った大滝監督を胴上げ
この秋限りで休部が決まっている北洋大は、先発した藤田和来投手が1失点完投。4-1で旭川市立大に勝利した。1999年に、前身の苫小牧駒澤大時代から監督、総監督として26年間指揮を執ってきた大滝敏之監督(70)が試合後、現役選手、OBらに胴上げされ、有終の美を飾った。
選手、OBに胴上げされる北洋大の大滝監督(中央上)
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部員13人で挑んだ最後のリーグ戦は5勝5敗の単独3位でフィニッシュ。試合前ノックの際には、対戦相手からも引退する指揮官に拍手が送られた。試合後のラストミーティングでは「4年生には、最後までついてきてくれてありがとうと言いました。春で上がりたいという子もいた中でね、なんとか最後までやってくれと。事故もなく終われた。前半、本当に東農大北海道と函館大になんとかもう少し食い下がりたかったんですけどね」。最後まで勝負師として勝利を追い求めた。
社会人野球のたくぎんで選手、監督として実績残す
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現役時代は社会人野球のたくぎんで日本選手権優勝。監督としても就任初年度から都市対抗、日本選手権で3年連続全国大会に出場した手腕を買われ、99年に新設の苫小牧駒澤大の監督に就任した。26年間の指導者生活に思い出は尽きない。「一番は1、2年生だけで2部を全勝優勝して、(1部の)旭川教育大との入れ替え戦だったんですけど、1試合目を延長の末3-2で勝って、2試合目は0-10で負けて、そのままダブルヘッダー。九回まで0-0のまま1-0で勝って1部に上がった。おかげさまで最下位は一回もない。昔は道都(現・星槎道都大)と東海(旭川にあった道東海大)もうち(道6)にいましたんでね、レベルの高いリーグだった」。
ベンチからサインを出す北洋大の大滝監督(右)
駒大中退の伊藤を受け入れ育て上げた
もう一つは、駒大を中退した日本ハムの伊藤大海(28)を受け入れ、育て上げたこと。「2014年に優勝するまでにプレーオフが3回あった。そのうち2回は延長戦。あと一歩のところで神宮に行けなくて。なかなか優勝できなくて、あの頃は北海道の子で勝ちたいなって気持ちが強かった。17年に初めて出て、18年に伊藤大海が2年の日本文理戦。大海が頑張って4-2で勝ったゲーム。これは非常に感慨深いものがありました」。伊藤は当初、21日の最終戦を応援に訪れる予定だったが、チーム練習のため現地観戦は叶わなかった。
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恩師の最後の采配を見届けようと、初代主将で息子も選手として出場した、茶木圭介さん(47)らOBが花束を持って球場に駆けつけた。今後は「アマチュア野球の振興に貢献したい気持ちはあります」。道内大学野球界の名将が、惜しまれつつユニホームを脱いだ。
OBから花束を受け取る北洋大の大滝監督(左)