伊藤大海 打球直撃も気迫のピッチング 首位決戦に臨む北山らチームメートに託した熱き思い
六回2死一塁、楽天・浅村を打ち取り、ほえる伊藤=撮影・小田岳史
■パ・リーグ24回戦 日本ハム2-3楽天(9月17日、楽天モバイルパーク宮城)
15勝目ならずも堂々のハイクオリティースタート
日本ハムの伊藤大海投手(28)が打球直撃のアクシデントに屈せず、気迫のこもった投球を見せた。
7回99球を投げて6安打2失点。「先制点はもったいなかったなっていうのと、四球からの失点だったので、そこがゲームのリズムを悪くしてしまった」と淡々と振り返った。
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これぞエースの意地 「折れていてもやりますけどね」
1―1の四回、先頭・黒川の打球が左足の甲に当たって、治療のためにいったんベンチに下がった。それでも続投を志願した。
「(影響など)そんなこと言ってられないので、やるしかない。(骨が)折れていてもやりますけどね」。その直後に勝ち越し打を浴びたが、七回までマウンドに立ち続けた。患部の状態については「(腫れが)あっても言わないですけど」。弱みを見せることはなかった
四回無死、楽天・黒川の打球を左足に当てた伊藤=撮影・宮永春希
ソフトバンクとのゲーム差は「3.5」に
1点を追う八回にレイエスが同点の32号ソロを放った。自身の負けは消えたが、チームは延長十一回にサヨナラ負けを喫し、首位・ソフトバンクとのゲーム差は「3.5」に広がった。
「(レイエスは)打ってくれそうな雰囲気もありましたし。うまくいかないことも、もちろんありますけど、勝つしかないので。前向いてやるしかないです」
18日に先発する北山へ熱きメッセージ
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チームは18日に福岡へ移動し、ソフトバンクとの直接対決に臨む。先発予定の北山らチームメートに思いを託した。
「みんな同じ気持ちで戦っていますし、同じ方向を見ていますし、こういう時期にこういうヒリヒリした日々を過ごせることにありがたいっていう気持ちを持って、いい形でいけたらなと思います。あしたは頑張ってほしいですね」

後輩右腕からの誕生日プレゼントは
大事なマウンドを任される2学年後輩の北山とは、互いを認め合う仲。プライベートでも親交が深く、先月31日の誕生日には、お揃いのスリッパをプレゼントされた。
「(伏見)寅威さんからはベルトをもらって、北山はスリッパをくれました。亘基のクロックスに変なバッチが付いていて、僕が『だっさいね』とずっと言っていた(笑)。腹いせにいろんなバッチを付けたクロックスをくれました」。ロッカーが隣の後輩右腕から「なんで履いてくれないんですか」と懇願され、「一応、履いています」と身に着けている。
互いを認め合う仲の伊藤(右)北山
世界に一つだけの贈り物
実は、愛情たっぷりの贈り物だった。北山がこう明かす。
「ダサいと言いつつも、反応してくる。プレゼントしたら使うしかないから、プレゼントしました。大海さんの(背番号)1と7(のチャーム)を付けて、周りにも公式のジビッツを買って、大海さんにゆかりの釣りとかを付けて。僕の愛が伝わると思います。大事に、シャワーを浴びた後とか、きれいな時に使ってくれていますね」
さあ、負けられない大一番のマウンドへ
カラフルなお揃いスリッパは、固い絆の証し。痛みをこらえて投げるエースの姿は、重圧のかかるマウンドに臨む北山にとって大きな励みとなっただろう。
