ファイターズ
2025/09/14 21:15 NEW

《ハム番24時》9月14日


 福島を援護した郡司の活躍は、「寿司」の代わりだったのかもしれない。

 この日の西武戦、先発は高卒4年目の福島。4番に座った郡司は、先制犠飛と貴重な追加点となる8号ソロで後輩の4勝目をアシストした。

 さかのぼること2カ月前。7月13日のオリックス戦で福島が先発した際、一塁を守った郡司は失策を犯した。しばらくして鎌ケ谷で長身右腕が「郡司さん、あの時、エラーしたので、僕に『すしでいい?』って言ってくれました。『ごめん、すしで良いか?』って」と、先輩がおわびのすしを約束してくれたことを、うれしそうに教えてくれた。

 先日、福島と顔を合わせ、もうごちそうになったか尋ねてみた。すると、「まだ、誘ってもらってないんですよ」と少し寂しそうに打ち明け、「郡司さんに言っておいてください」と伝言を頼まれた。

 すぐに郡司に伝えると、「〝いって〟いないです」と返ってきた。福島は2軍にいる期間もあり、投手と野手で予定を合わせるのも難しく、まだ〝行けて〟ないのか、と思ったが、違った。「〝行って〟ないではなくて、その発言自体、〝言って〟いないです」。ここからは、郡司節だ。「たぶん、僕じゃないですね。架空の、架空の郡司がしゃべっています。福島が、間違えたんだと思います」

 きっと、福島は間違えていない。ただ、プレッシャーのかかる大事な試合で、先制点と追加点を叩き出してくれた活躍は、22歳の右腕にとって、すしよりうれしい〝おわび〟だっただろう。

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