福島蓮 1年前のトラウマ「8・23」を払拭 「なんとか上書きできて良かったです」
一回2死三塁、ソフトバンク・山川から三振を奪った福島=撮影・宮永春希
■パ・リーグ21回戦 ソフトバンク3-8日本ハム(8月23日、エスコンフィールド北海道)
大事な大事なマウンドで躍動!
日本ハムの福島蓮投手(22)が5回3安打2失点で今季3勝目を挙げた。
「緊張は、そうっすね。いつもよりはさすがにしました」。天王山第2ラウンドの先発を託された若き右腕が、きっちり仕事を果たした。
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忘れられない苦い記憶
ある思いを胸にマウンドに上がっていた。「去年の8月23日、ここで負けているので、なんとかリベンジできて良かったです」。ちょうど1年前。福島はこの日と同じく本拠地・エスコンフィールド北海道で先発登板していた。相手もソフトバンクだった。
三回までに5点の大量援護をもらったが、リードを守り切れず四回途中でKO。喜怒哀楽を「見せない」タイプの右腕が、「いや~ちょっとヘコみましたよ。さすがに。5点取ってもらって、5点はき出したのはやばいっすよ」と珍しく落ち込んだ。試合は延長十回の末に5-6で敗れた。
2024年8月23日のソフトバンク戦、四回途中で降板する福島(中央)
鉄腕からのLINEメッセージに救われた
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「そんな調子は悪くなかったんですけどね。まだまだ、だって(思い知らされた)」。試合後、2軍降格が決定。ベテラン左腕・宮西がLINEで「悔しいだろうけど、おまえがこれからファイターズのエースにならなあかんぞ。頑張れよ」とメッセージを送ってくれたことが、何よりの救いだった。
もちろん、その日のことは覚えていた。この日も味方が二回に4点を先取し、大きな援護をもらう展開に。四回に右越え2ランを浴びたが、崩れることはなかった。「トラウマを思い出しましたね(笑)。なんとか上書きできて良かったです」と安堵の表情を浮かべた。
二回を無失点に抑えた福島=撮影・小田岳史
確実に力強く成長中!
プロ4年目の今年は春先に球速の低下に悩まされ、3週間ほど実戦から遠ざかる時期もあった。7月13日のオリックス戦(エスコン)で今季初先発し、そこから無傷の3連勝を挙げている。
試合後の囲み取材、「1年前と比べて、成長した姿を見せられたのでは」と問われると、こう答えた。「そうですね~。ちょっとだけですけど。次こそ、長いイニングを投げたいです」。自己評価以上に、背番号94の頼もしさは増している。
七回を無失点に抑えた柴田(右)を迎える福島