福島蓮 絶不調から脱却「宇宙に迷い込んでいました」 誕生日に連絡をくれた捕手の先輩は…
鎌ケ谷でキャッチボールをする福島=撮影・近藤裕介
〝2年目〟のさらなる飛躍を期待されるも…
日本ハムの福島蓮投手(22)が絶不調を乗り越え、状態を上げてきた。
昨季、高卒3年目で支配下昇格を果たし、1軍で2勝を挙げて頭角を現した長身右腕。今季は初の1軍キャンプで結果を残し、オープン戦でも好投したが、分厚い先発投手陣の壁に阻まれて開幕ローテーション入りは逃した。するとそこから、徐々に調子を落としていった。
投げるたびに打ち込まれる日々
3月下旬頃から、思うようなボールが投げられなくなった。22日の2軍オイシックス戦は5回4失点(自責1)、4月6日の同巨人戦は五回途中5失点、同15日の同西武戦は6回3失点。
「1カ月ぐらい、宇宙に迷い込んでいましたね。何を投げても、気持ち悪かったです。キャッチボールから気持ち悪くて、球速が出ない感じでした」。気が付けば、最速153キロを誇る直球の球速が、140キロ台前半まで落ち込んでいた。
5月15日の2軍巨人戦に登板した福島
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復調のきっかけはフォーム修正
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4月15日の西武戦以降は一度、実戦のマウンドから離れ、不調の原因を探った。コーチ、アナリスト、トレーナーら、周囲の手を借り、フォームの修正に着手した。
「股関節の動きがだいぶ悪くなっていたので、そこのドリルをやったり、立ち方が悪くなっていたので、そこを矯正したら、だいぶ良くなりました」と1歩ずつ復調に向かっていった。
戻ってきた本来のストレート
約3週間ぶりの登板となった5月7日の同ヤクルト戦は、1イニング限定で腕を振り、最速150キロを計測した。
「出力を出しにいこうという感じで、1イニングでした。150(キロ)は出たので、これを5、6イニングできるようにしていかなきゃという感じです」。同15日の巨人戦は3回を投げて無安打無失点で3奪三振と、短いイニングながら本来の輝きを取り戻した。

〝たみちゃん〟の気遣いに感謝
まだ〝宇宙〟をさまよっていた4月25日には22歳の誕生日を迎えた。当時、1軍にいた3学年上の田宮からは、励ましの連絡が届いた。
「たみちゃんから、『おめでとう』って連絡が来て、『調子悪いの?』とか、聞いてくれましたね。(直球の球速が)142キロじゃ1軍に上がれないぞ、と言われましたね。見ててくれたんですね。なので、1軍に行ったらプレゼント一緒に買いに行きましょうって言っておきました。あ、本人の前では、(呼び方は)たみさんです(笑)」。仲良しの先輩らにも支えられ、苦しい時期を乗り越えてきた。
24年から1軍でバッテリーを組む田宮(左)と福島
近づく完全復活 次回登板は23日のくふうハヤテ戦
次回は23日の同くふうハヤテ戦(静岡)で、5イニングを投げる予定だ。
「今はもう、宇宙ではないですね。まだ地面まではたどり着いていないですけど、地球には入って、空にいるぐらいです」。一日でも早く完全復活を果たし、エスコンフィールドのマウンドに降り立ってみせる。