達孝太 7回2失点でHQS達成も黒星「初めてあんなに足でかき回された」
7回2失点でHQS達成も黒星を喫した達=撮影・小田岳史
■パ・リーグ20回戦 西武7-3日本ハム(9月12日、エスコンフィールド北海道)
「ほぼ、負けたら終わり」。チームが激しい優勝争いを繰り広げる中、日本ハムの達孝太投手(21)は背水の覚悟で先発マウンドに上がっていた。
四回にわずか5球で先制点献上
序盤三回は走者を背負いながらも、150キロ前後の直球とフォークを軸に要所を締めて無失点。しかし四回、獅子打線が牙をむいた。先頭の俊足・滝沢に内野安打で出塁を許す。続く外崎の打席で一度けん制を入れたが、初球で二盗を決められると、相対した外崎には中前適時打。この回、わずか5球で先制点を許した。
四回無死二塁、外崎に先制の適時打を浴びる達=撮影・東倫太朗
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その後、外崎にも二盗を決められ、2死二塁から山村に左中間への適時二塁打を浴びた。まだ中盤での2失点ではあったが、西武の先発・高橋の調子が良かっただけに、重くのしかかった。「(自分自身は)走られても抑えたらいいやろって感じのタイプなので、あそこで抑えられなかったのは、ちょっと磨かないといけないことあるなと思います」。走者が得点圏に進んだとしても、生還を許さなければ、失点することはない。ピンチを背負った過程よりも、相手を圧倒できなかったことを悔やんだ。
「先頭を出したら、ああいう風に…」
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7回108球2失点。HQS(ハイクオリティースタート=7回以上自責2以下)を達成したが、好相性の西武に足を絡められて黒星を喫した。「初めてあんなに足でかき回された感じがしたんで、そう思うと先頭(打者)を出したら、ああいう風になっちゃう」。俊足打者を先頭で出塁させると、相手攻撃の幅が広がることも改めて痛感した。
四回無死二塁、西武・外崎から適時打を打たれた達に伏見(左)が声をかける
「ちょっと成長したなと思いました」
ただ、投げているボールの感覚は良好だ。「ボールもめちゃくちゃ悪かったか、と言われたら、良かった方だと思う。4イニング目に2点取られて、最後7イニング目投げて、7回2失点でまとめたっていうのは、ちょっと成長したなと思いました」。失点で崩れることなく、投球を立て直したことに成長の証しがあった。
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そして、光の見えた球種もあった。カットボールだ。「きょうは結構カットも投げていたんですけど、遅い真っすぐみたいな感じで。その辺、バッターも『何だろう、この球』みたいな感じになっていたんで、使えそうな球は使っていきたい」。2桁勝利は厳しい状況になったが、ただでは転ばなかった。達自身も「変なプレッシャーから解放された」。目の前の相手打者を抑えていく。さらなる高みを目指して、アウトを積み重ねていく。
六回を無失点に抑えた達=撮影・井上浩明