家泉怜依 定位置奪取へ積み重ねる小さな信頼「もっと試合に出るために…」
レギュラー返り咲きを心に期するDF家泉。古巣・いわき戦でハイパフォーマンスを狙う=撮影・宮西雄太郎
■9月12日、札幌・大和ハウスプレミストドーム
北海道コンサドーレ札幌は12日、札幌市内で翌日に控える第29節・いわき戦(14時開始、プレド)へ向けて全体トレーニングを行った。DF家泉怜依(25)は、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートした古巣との一戦へ「今でもいわきのサポーターの方は応援してくれる。成長した姿を見せたい」と静かに心を燃やしている。
【コンサドーレ 関連ニュース一覧】

1-1で引き分けた5月の前回対戦は、悲喜こもごもの結果となった。思い入れの強いハワスタのピッチで躍動した家泉は、前半34分にサンチェスの折り返しを右足で合わせて先制点をマーク。恩返しの一発で札幌を勢いづけた。だが、リードを保ちたかった後半27分に自陣ペナルティーエリア手前でスリップする痛恨のミス。その後の流れでチームはPKを献上し、逃げ切りに失敗した。
酸いも甘いも経験した古巣戦から、約4カ月の時間が過ぎた。当時はレギュラーの座に就いていたが、置かれる立場は大きく変わった。浦上ら経験豊富なDFが加わり、3バックシステムが採用されたこともあり序列は低下。5月31日の仙台戦を最後にスタメンから遠ざかり、ベンチを温める時間が増えた。
だけど今はそんな感情が湧いてない
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「試合に出てないし、なかなか上手くいってない。なんて言うのかな…。確かにいわき戦は自分が出て勝ちたいし、点も取りたいし、0にも抑えたい。だけど今はそんな(懐かしいという)感情が湧いてない」
プロの世界で生きる男が、より長いプレータイムを求めるのは当然だ。本意ではない雌伏の時を過ごす現在も、家泉は腐ることなく「出られないからって適当な練習はしてない。出ることだけを考えてやっている」と前を向く。

愚直なプレーを続けることで、いつか必ず道は開ける。2連勝を飾った甲府戦と大宮戦では、試合を締めくくる役割を担いゲーム終了間際に登場。体を張ったディフェンスで奮闘し、勝ち点3に貢献した。
〝クローザー〟としてのタスクを課した柴田監督は「勝っている状況だったので(家泉)怜依には、相手がパワーを持ってくるので攻撃を跳ね返してほしい、と伝えました。怜依を投入した段階で交代枠を使い切る形なので、監督のやることは全て終わり。あとは選手を信じて見守っていました」と起用の意図を説明し、背番号15への信頼を口にした。
コツコツと信頼を積み重ね、レギュラー返り咲きを狙う。家泉は揺るぎない自信を胸に抱き、ピッチ上でベストを尽くす。「ゲームを締める役割を今は遂行できている。ただ実際は、チームが勝つことがうれしくても、こういう出方は面白くないし満足できない。自分が1番走れるし守れると思っているので、もっと試合に出るために他の部分でも(チームメートに)勝たないと」。飽くなき向上心が、大型DFを高みへ導く。
練習前に柴田監督と握手を交わすDF家泉(右)
【道スポが全部読める! お得な年払いプラン】