野村佑希 1番起用で初回のビッグイニングを演出 来季からチームを支える立場に…
一回、左前打で出塁した先頭の野村(右)=撮影・小田岳史
■パ・リーグ25回戦 オリックス4-10日本ハム(9月11日、エスコンフィールド北海道)
ヒーローでいいんです!
日本ハムの野村佑希内野手(25)が「1番・左翼」で3試合ぶりに先発出場。一回の第1打席で左前打を放って出塁し、大量6点のビッグイニングを演出した。
試合後は、お立ち台に上がり「『え、俺?』みたいな。きょう」と苦笑い。ヒーローに納得していない様子だったが、自身の一打で打線に火をつけた。
【ファイターズの最新記事はコチラ】
冷静かつ積極的に
ヒーローインタビュー同様に、昨年7月以来となる1番起用にも落ち着いていた。「気負うとかはなかったですね。力むと良くない、技術的にブレるのが自分の中であるので。そのへんはなるべく、いつも通り入れるようにと思いました」
自分自身の役割はきちんと理解していた。プロ2度目の先発となった東松の前に、ファウル2球で追い込まれたが、ボール球をしっかり見極めてカウント2ー2に。5球目、124キロの変化球を左前へ運んだ。「僕が1番の意味合いは、普通に相手が(日本ハム戦)初(先発)登板のピッチャーなので、ストライクゾーンでの勝負が多くなる。手出しが多い方なので、そのへんで初回、叩いてくれということだと思っていた。普通に初球からいこうと思いました」と淡々と振り返った。
一回、先頭の野村(右)が左前打を放つ=撮影・北村史成
八木打撃コーチのためにも!
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
野村の一打をきっかけに、初回に6点を先取。打線がつながり、16安打10得点で大勝した。
9日のソフトバンク戦で頭部にバットが直撃して入院している八木打撃コーチに対して「早く元気になって戻ってきてもらいたいなと思います。そのために元気付けるものになってくれれば、うれしいと思います」と気遣った。
一回、左前打を放った野村(左)=撮影・井上浩明
選手会への〝入閣〟が濃厚な来季
プロ7年目の今季は開幕4番を任され、好調をキープ。5月にけがでの離脱もあったが、復帰後は1軍でプレーを続けている。チーム事情もあり、控えに回ることもあるが、ここぞの場面で結果を残している。
名実ともにチームの顔へ。数年前から幹部候補〝見習い〟として名前が挙がっていた選手会に、来季から〝入閣〟することになりそうだ。選手会の役員は、まさに縁の下の力持ち。納会の準備や12球団の会議に出席するなど、チームを代表して仕事をこなしている。
現会長の松本剛も期待
メンバーの人選を行う会長の松本剛は、野村と沖縄・伊江島で合同自主トレを行う間柄。昨年の秋季キャンプでは手締め役に指名するなど、期待を口にしてきた。さらなる飛躍へ、チームの中心的ポジションを任せたいと考えている。
2024年には、清宮幸が松本剛の「もうちょっと自覚を持ってもらおう」という意向で加入。その年、シーズン後半の活躍もあってレギュラーに定着し、今年からは「次期会長候補」として副会長を務めている。
七回1死、野村が中前打を放つ
さあ逆転優勝へ 心に誓うチームへの献身
〝見習い〟から昇格する野村の活躍もあり、チームは首位・ソフトバンクとのゲーム差を「2」に縮めた。
「いい緊張感でできていると思います。欲を言えば、たくさん(試合に)出たいなと思いますけど、みんな本当にいい状態でここまで来ているので。相手ピッチャーの兼ね合いとか、ボス(新庄監督)の考えもあると思うので、しっかり最後、まくれるようにやっていきたいです」。状態は悪くない。フォア・ザ・チームを貫き、出番を待つ。
ヒーローインタビューで笑顔を見せる野村(左)