ファイターズ
《ハム番24時》8月24日

試合前の練習中、ライト側ブルペンに目を向けると、次回先発に備えて達が投球練習をしていた。その隣に既視感のあるフォームの左投手がいた。背番号は12。二刀流を一時封印し、野手に専念していた矢沢が今季初めてブルペン入りした。
いくつかの推測が頭に浮かんだ。夏場は中継ぎ陣の登板機会が増えており、緊急事態に備えるため。メジャーなど大差が開くと、野手が登板するケースがある。その候補か。また、現在はリリーフの左投手が上原1人。短期的な措置として、左のワンポイントまで見据えるか。
変化球を織り交ぜながら20球ほど投げ「(投手コーチから)ちょっと入っておこうかと。途中から力が入ってきちゃいました。どんどんスピードが出てきて、そのへんでやめておけと言われました」と苦笑いだった。投球練習は1月下旬の先乗り自主トレ以来とのこと。半年以上のブランクがある。いずれにしても、リスクマネジメントの一環かと想像した。
実際、矢沢自身が投手の厳しさをわきまえていた。登板の指示があれば、すぐにいけるのか?という問いかけに「『いける』がどのクオリティーなのかによる。(1軍の主力投手を基準にするなら)『いけない』が正しいですかね。急には無理ですけど、ちょっとずつという感じです」と慎重に言葉を選んでいた。
ただ、表情を見る限り、とても楽しそうだった。投手としても魅力は十分。不測の事態は起きてほしくないが、緊急登板も見てみたいとひそかに思った。
