《岩本勉のガン流F論》納得の投手リレー チーム、本人にとってプラスの2番手柴田
■パ・リーグ21回戦 ソフトバンク3-8日本ハム(8月23日、エスコンフィールド北海道)
価値のある2点目
天王山の第2戦はトピックスの多い試合となった。まずは打線に触れたい。レイエスが先制弾を含む2本塁打、清宮も2本のタイムリーを放った。
主役がそれぞれ期待通りの活躍を見せた中、万波の存在が実に大きかった。二回、レイエスが先制ソロをかっ飛ばした後だ。無死一、三塁で中前にはじき返し、チームに2点目をもたらした。一発の後、打線のつながりを得点という形にした一打。価値ある1本だった。
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相手にとって脅威の7番・万波
前日の第1戦で完全に目覚めた。前カードのオリックス戦では、まったくの〝ノー感じ〟だったのだが、今カード1戦目で3-3の七回に決勝弾を放り込んだ。一夜明け、完全に絶好調の万波がそこにはいた。しかも打順は7番。相手にとっては脅威でしかない。
メリットが多い福島→柴田の継投
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さて、投手陣に話を移そう。7月26日のロッテ戦で先発マウンドに立ち、3回完全と鮮烈なプロデビューを飾った柴田が2番手で登板した。先発には福島。この並びは十分に納得できた。
ここまで今季2戦2勝の福島は勝ち癖が付いている。いいリズムでゲームをつくらせるには最適で、勢いのあるドラ1右腕にバトンを渡すことで、チームのボルテージは最高潮となる。
ドラ1右腕に用意された最高の舞台
ファームでもまだ、自分で試合をつくったことがない柴田ではあるが、1イニングずつを全力で投げきることは可能で、持っているボールは素晴らしい。3イニング目に得点を許してなければ、そのまま九回も続投させるという選択肢もあったはずだ。チームのため、彼のため。最高の出番が用意されたと言っていいだろう。
〝ビッグボード〟を差し出した上原
八回、2死満塁で登板した上原の好リリーフに助けられた。これもプラスでしかない。華々しいキャリアを歩みつつある柴田。その流れを加速させるべく、「ビッグウエーブをつかんで来い」と首脳陣に送り出された。波にさらわれそうになり、上原が〝ビッグボード〟を差し出してくれ、安全に波打ち際までたどり着くことができた。
勝利は決して1人の力では手にすることはできない。そう実感できたはずだ。
入り球、特にストレートには力がある。バットに乗せられても負けることがない。ただ、仕留め方や、ウイニングボールから逆算してのカウントの整え方はまだ知らない。これも、彼なら勝手に身に付けていくだろうが、上原が2死満塁で佐藤直から奪った真ん中低めのフォークボールが大きなヒントにもなっただろう。
これ以上ないタイミングでエースの出番!
さあ、2連勝でホークスとのゲーム差を「1.5」まで縮めた。当然ながら、次戦は大事だ。3連勝を果たしたならば、残る直接対決、ホークスは嫌で仕方なくなるだろう。逆にソフトバンクが勝つことがあれば、マジックが点灯する。どうしたって、「いよいよ感」が出てしまう。
そこで先発マウンドを託されたのが伊藤だ。彼に言いたい。この状況で、このタイミング。任せられるのはあなたしかいない。君がエースなのだから!