近藤友喜が戦列復帰へ 今も大切にするプロ入りの際にかけられた言葉とは…
左ふくらはぎの肉離れも癒え、MF近藤に笑顔が戻ってきた=撮影・西川薫
■8月20日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌のMF近藤友喜(24)が、4試合ぶりのリーグ戦出場へまた一歩近づいた。7月29日の練習中に左ふくらはぎの肉離れで別メニューが続いていたが、19日から全体練習に完全合流し、20日もフルメニューを消化した。離脱中の指揮官交代を前向きに捉え、もう後がないチームの逆襲の旗印となる。
左ふくらはぎ肉離れから3週間
リーグ戦再開直前の離脱から3週間。近藤に笑顔が戻ってきた。この日は狭いエリアでの11対11の紅白戦など、2日続けてフルメニューを消化。「痛みがなくなって1週間動いて今週って感じ。まだまだコンディションのところはあれ(改善途上)ですけど、痛みなく動けてはいるので、甲府戦(23日、JITスタジアム)に向けて力になれれば」。残り2日間でさらに状態を上げていく。
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リハビリ期間中の今月11日、岩政大樹前監督(43)が解任された。札幌のU-15やU-18で指導してきた柴田慎吾氏(40)が新監督に就任。「チームとして、ちょっと守備的になっていたところもあると思います。別にそれ自体どうこうってわけじゃないですけど、クラブとしては攻撃的に、というところは、やっぱりぶれてないんだ」と、監督交代のメッセージを前向きに受け取った。ただ、就任初陣の前節秋田戦は0-2の敗戦。「ボールを保持することと攻撃的なのは同じではない。保持するより、ゴールに向かっていくことが攻撃的な部分だと思う。もっとゴールに向かっていくプレーを増やせれば」。自身がピッチに立った時を思い描く。
指揮官が就任会見で強調したことは
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新指揮官が掲げる攻撃的サッカーには、右WBを主戦場とする近藤の存在が欠かせない。就任会見で柴田監督は「フットボールはスペースの奪い合いだと思っていて、一言で表すならスペースアタッキング。一つはしっかり幅を使って仕掛けたい」と両サイドの重要性を強調。自身に期待されていることは単純明快だ。
「仕掛けることが求められてると思います。見ていると簡単ですけど、仕掛けるってやっぱり勇気がいること。僕が横浜FCに決まる時、スカウトの方に『仕掛けられるって才能だよ』と言われたぐらい、勇気を持ってプレーしていくことは、ある種の才能。仕掛ける上でコンディションもそうですけど、やっぱりメンタル的な部分が大きい。しっかりビビらず、ミスしてもチャレンジを繰り返していければ」。それこそが、見ている者を魅了する近藤のプレースタイルの〝原点〟だ。
高校、大学で2学年下の後輩と激突
遠征に帯同すれば、同じサッカーDNAが流れる同門との再会が待っている。甲府のMF熊倉弘達(23)は群馬・前橋育英高、日本大学で2学年下の直系の後輩。「結構ビビられていたんで、僕(笑)。かなり優しかったと思うんですけど、高校生の1年、3年ってちょっと怖いですよね。日大も上下関係全然ないんで、わりと緩かったんですけど、卒業する時の色紙に『最後まで怖かったです』みたいに書かれるぐらい、なんか怖かったらしくて(笑)。仲良い人としかしゃべらないので、それが怖かったのかな」と学生時代を振り返る。
そんな後輩だが、リスペクトは欠かさない。前節の大分戦(2-0)で後半39分にドリブルから2点目を演出。「技術があって能力もあって、良い選手。この間も、ほぼ熊倉選手のドリブルから三平選手が決めたゴールもありました。良さを知っている分、怖さはあると思いますけど、プライドがあるので、先輩としての。やらせないようにしていきたいですね」。ピッチ上では再び〝怖い先輩〟として対峙する。

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リーグ戦は残り12試合。PO圏までの勝ち点は「9」。依然として厳しい状況は続いている。この日の練習前、選手間ミーティングが行われた。「僕たち選手も、スタッフもサポーターの方々も、本当に1個も負けられないことは分かっていると思う。だから気持ちを入れてやっていこう、と言っても、それをピッチでどう示せるか。ピッチ上であとがない、それで消極的になるのもまた違いますけど、それすら楽しんでやれればいいのかな」。戻ってきた背番号33が、チームにゴールへの推進力を注入する。