【プレーバック】J2第26節 札幌0-2秋田
柴田新監督の初陣で敗退し、肩を落とす札幌の選手たち=撮影・小田岳史
■8月16日、札幌・大和ハウスプレミストドーム

完封負けで柴田新監督の初陣飾れず
北海道コンサドーレ札幌はブラウブリッツ秋田とホームで対戦し、0-2で敗れた。前半36分にミドルシュートから先制点を奪われ、後半19分にも自分たちのミスから追加点を許して2失点。指揮官が柴田慎吾監督(40)に交代して最初の試合だったが、監督の初陣を勝利で飾ることはできなかった。
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試合開始早々にハードワークが持ち味の秋田に猛攻を受けたが、ここを凌ぐとホームの札幌がボールを保持しながら主導権を握る時間帯も増えていった。
秋田は激しいプレスと豊富な運動量でカウンターを狙い、同14分にはCKのこぼれ球を拾った最後尾の札幌MF原康介(20)にプレスを掛けて裏のスペースへ飛び出したが、ここはGK高木駿(36)がセンターライン付近まで上がってカバー。何とか難を逃れた。札幌も守備からのカウンターを狙おうとするも、秋田の素早いプレスバックにつかまり、なかなか攻めきれない。
秋田は札幌アカデミー出身で左サイドのFW佐藤大樹(26)が右サイドにも顔を出すなど縦横無尽の運動量で躍動する。同35分には左サイドのライン際を70メールほどドリブルで駆け上がったが、ここは原がしぶとくマークについてクロスをブロック。するとそのCKの流れから先制点を奪われた。
札幌はCKで入れられたボールを跳ね返し、2度目のクロスも跳ね返してカウンターにつなげようとしたが、そこも素早い寄せで奪われ、そのままMF諸岡にミドルシュートを浴び、さらにそのボールがFW鈴木に当たってゴールに吸い込まれてしまった。
前半は0-1のまま、シュートは2本に抑えられてハーフタイムを迎える。原はここでMF田中宏武(26)に交代。田中宏は左ウイングバック(WB)に入り、MF青木亮太(29)がシャドー、FW白井陽斗(25)は右WBに入った。
後半の札幌は両WBがワイドにポジションを取り、ピッチを広く使った。すると秋田のプレスも弱まっていき、チャンス構築につながっていく。しかし、最後の精度が悪く、得点が奪えない。
同17分には柴田監督の現役時代に同期入団だったMF宮澤裕樹(36)と、MF田中克幸(23)を2枚のボランチに替えて投入し、反撃を狙ったが、チームのバランスがうまく取れずにいた同19分にミスから失点。ビルドアップでパスを受けたDF浦上仁騎(28)のトラップミスに素早く反応されてボールを奪われ、GK高木との1対1を簡単に決められてしまった。
札幌は同25分にFWアマドゥ・バカヨコ(29)に代えてFWマリオ・セルジオ(29)を入れるなど手を打つも秋田の堅い守備に苦戦。同アディショナルタイム6分にはマリオのヘディングシュートがクロスバーに弾かれるなど後半だけで15本のシュートを放ったが、最後までゴールをこじ開けることができなかった。
▼▼以下、選手コメントと試合写真▼▼
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■3試合連続先発で今季初のフル出場となったMFスパチョーク(27)
「できるだけ自分らしいプレーでチームを勝たせるように目指していたけど残念でした。(スペースアタッキングというテーマは)あったけど、自分としては自由度が多かった試合だと思います。今までと比べて。どうやったら相手のゴールをこじ開けるのかにフォーカスしてやっていたけど、なかなか崩し切れなかった。監督が代わったばかりで時間もない中で、自分たちが今までやってきたものをベースにして今日の戦いを挑んだ。テーマはありましたけども、より自分たちで今までつくってきたものをより良く出していこうと思っていた。今後、試合を重ねていく上で良くなっていくと思う。できるだけミス減らして、自分たちのいいプレーを、攻撃的なサッカーを出していければ」
■右シャドーで先発し、右WBも務めたFW白井陽斗(25)
「あれだけボール握ってた中で、自分たちのミスから失点したので、ちょっと悔しい。監督が交代して、全員がどっかで心に何かを残したまま挑んじゃったのかなとは思います。(自分は)切り替えていたつもりですけど、(前監督の岩政)大樹さんには申し訳ないなと思いますし、結局やっているのは自分たちなので。それで監督が全て責任を取る世界なので、選手としては申し訳ないなって気持ちはありました。(柴田監督からは)今まで通り、自分の特長を生かして、スピードだったり、裏抜け、あとは手前に落ちてと言われていたので、後半からポジションは変わりましたけど、ある程度はできたかな。きょうは攻撃が多くできた。もちろん難しさがあった中であれだけできたので、また1週間、甲府に向けて自信を持ってやっていきたい」
■加入から8戦連続先発も失点に絡んでしまったDF浦上仁騎(29)
「0-2という結果になってしまって、非常に悔しいし、責任を強く感じています。割とうまく(相手に)対応できている中で、1失点目も防げた失点でしたし、0-0で進んでいければ後半にギアを上げたりできたけど、自分のミスから失点してしまったので本当に申し訳ないし、まだまだだなと思います。このチームに夏に来て、なんとしても札幌と共に一緒に強くなって這い上がっていくと決めてやってきた中で、あのミスは本当に許されないと思うし、あの失点で0-2になったのがチーム全体としてもダメージが大きかった。今日は僕が本当にゲームを壊してしまったという反省があります。自分自身をもっと戒めるというか、自分に厳しくしていかないといけない。この世界は本当に結果が全てで、それを僕たちはこの前、目の当たりにして、責任を監督が取ってくれましたけど、ただ僕たちにも責任があるので。やっぱり日々の練習から後がないっていうマインドでやっているつもりでも、まだまだ足らないと思うので、もっと自分自身で自分を叩いて、周りを鼓舞できるようにやっていきたいなと思っています」
■8試合ぶりの先発でゲームキャプテンを務めたDF大﨑玲央(34)
「キャプテンというところは、そんなに別に意識してなくて、(高嶺)朋樹が出場できなかったから巻いただけなので。でも、朋樹の分もやらないとっていう気持ちはありましたし、監督が交代になって、自分たちが変わっていこうとしている姿勢っていうのを見せなきゃいけないと思いながら試合に挑みました。(監督が交代し)数日しかなかったので、大きくガラッと変わったことはないけど、細かいところをブラッシュアップしながら練習に取り組んで、雰囲気も別に良かった。でもやっぱ結果が全ての世界だと思う。このタイミングで0-2で負けてしまったのは、非常に残念な気持ちではありますし、ドームの雰囲気をつくってくれていたサポーターに勝ち点3を届けられなかったのは悔しい。本当にもう負けは許されない。目の前の試合だけに集中して、勝ち点をどんどん積み上げていけるように、日頃の練習からだと思うので、全員で意識してやっていければ」
(全6カット)
前半、ゲームキャプテンを務めたDF大﨑
前半36分、先制点を決められた札幌の選手たち
後半、ピッチサイドに出たボールを戻す柴田監督
後半、前線へボールを運ぶMFスパチョーク(右)
後半、相手との空中戦に競り勝つMF宮澤(左)
後半19分、2失点目に絡んでしまい、顔を覆うDF浦上(右)
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