甲子園ルーキー最速144キロ・森健成の秘密は驚異のスピン量【夏の甲子園】
実戦形式の練習に登板した北海の森=撮影・桜田史宏
■全国高校野球選手権第4日(8月8日)
南北海道代表の北海は、10日の1回戦・東海大熊本星翔戦へ向け、兵庫県西宮市内で約2時間、打撃練習やノックなどで調整した。1年生でただ一人ベンチ入りした森健成投手は今大会49代表中の1年生投手では最速の144キロをマークする。投手デビューが実現すれば、同校では1967年に広陵との1回戦(1●8)に救援登板した丸山幸雄さん以来、58年ぶりの快挙だ。
「ずっと憧れの場所」聖地のマウンドに立ち鳥肌が
白いグラブがトレードマークの森が、連日ブルペン入りし精力的に汗を流している。7月31日の公式練習では初めて聖地のマウンドに立ち、鳥肌が立った。「ずっと憧れの場所というか、ずっと立ってみたい、やってみたいところだった。そのマウンドに立つ機会が来たので、しっかり結果を出したい」と、2日後に迫った初戦を見据えた。

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夏の甲子園で1年生がベンチ入りするのは21年の熊谷陽輝投手(中央大2年)以来。全国最多41度の出場を誇る名門で、1年春にベンチ入りするだけでも至難の中、札幌支部代表決定戦で公式戦デビューし3試合に登板。夏は南北海道大会準決勝の駒大苫小牧戦で初先発。自己最速を更新するなど4試合に登板。めきめきと実力を伸ばしてきた。
関西生活10日目 体重は落ちるどころか…
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関西生活は10日目。「最初の頃はもう暑さに慣れるので精一杯で」と苦笑い。さらに普段、実家での食事と違い、朝から白米だけで600グラムを2杯。3食で約3キロを胃袋に詰め込む。「初めの方は結構食べられたけど、だいぶ入らなくなってきて」。体重は落ちるどころか「4、5キロ増えました。暑さにも慣れてきて、良い生活で良い調整ができている」と、力を込めた。

指揮官から体重移動のアドバイスを受けて
大阪入り後、さらに進化の兆しがある。3日ほど前に平川敦監督(54)からマウンドでの重心位置の助言を受けた。「今までは足のかかとの方で立っていたイメージでしたが、足の指をくっ、と曲げて、地面を強く踏むイメージで投げると、それが結果的に体重移動や軸足の体重の乗せ方につながって、強い球が投げられている」と、手応えをつかんだ。
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森の投球の大きな特徴はスピン量。回転数や回転軸を計測するラプソードでは、NPB平均が毎分2200回転と言われる中、森は最高で同2700回転をマークする。体重増に加え「体重移動を教わったこともあって、より強い真っすぐを投げられるようになってきました。しっかりチームが勝つため、貢献できるように頑張りたい」。全国の猛者相手に、今の自分の実力がどれだけ通用するか、試したくてうずうずしている。
