梅林優貴 今季初昇格で即フルマスク 「忘れてないよ」 〝アピール〟直後に届いた新庄監督からのDM
一回を無失点に抑え、ベンチに戻った梅林(右)と達が会話する=撮影・松本奈央
■パ・リーグ17回戦 西武2-0日本ハム(8月7日、エスコンフィールド北海道)
エスコン初スタメンで達を好リード
日本ハムの梅林優貴捕手(27)が今季初昇格し「8番・捕手」で先発出場。昨季2軍で女房役を任されていた先発の達孝太投手(21)と久々にバッテリーを組んだ。
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ハプニングありの1軍合流
前日6日は、ロッテ浦和で行われた2軍ロッテ戦に先発出場していた。2打席立ち、六回で退いて北海道入りした。
「すっごい暑くて、防具も全部びっちょびちょだったんですよ。防具の膝パッドを車で少しでも乾けばと(ボンネットに)干していて、そのまま(車で)出ちゃって。申し訳ないです。道路に(笑)」。球場の外に〝ポイ捨て〟した膝パッドはきょう無事に発見されたというが、そんなハプニングもあり、札幌の合宿所に到着したのは午後9時だった。
七回1死一、二塁、達(右)にマウンドで声をかける梅林=撮影・宮永春希
気負わず堂々とプレー 「僕が意気込むことじゃない」
シーズン後半にようやく巡ってきたチャンス。それでも、梅林は落ち着いていた。「今までは1軍だとめっちゃ意気込んで来ていたんですけど、それは僕が意気込むことじゃないのかなって。(1軍の)雰囲気がいつも以上の力を出させてくれたらいいなって」
この日、北広島の最高気温は26度。「それこそ涼しいですし。きのうは(気温)40度、直射日光なので。それに比べたらウエートルームで試合しているみたい。(気温が)30度いかないなんて、2、3カ月見ていないですからね」と前向きだった。
しっかりと見ていた新庄監督
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プロ6年目の今季は、開幕から2軍生活が続いていた。キャッチャーは1つしかないポジション。ファームでも出場機会が限られる中、腐らずにやってきた。
そんな姿を新庄監督ら首脳陣は、きちんと見てくれていた。稲葉2軍監督との会話で、指揮官自ら「梅林」の名前を出したこともあった。

励みになった指揮官からの言葉
6月末の2軍戦で本塁打を放った際には、「ボス(新庄監督)、僕の名前覚えていますか?」と記事を通して〝アピール〟。すると直後に、インスタグラムのDMが届いた。
「忘れてないよって。バッティングいいから、山田(バッテリー)コーチにも言っておくから、しっかり準備してって言われた」。その言葉が大きな励みになった。
2軍では達の専属捕手
プロ4年目で先発ローテーションに定着した達とは、昨季2軍でバッテリーを組んできた。将来のエース候補を任されることは、多少プレッシャーもあった。
「去年は僕しか選択肢がなかったので、それが良かったのか分からないですけど、申し訳ないなって。変なミスできないなって(笑)」
昨季、2軍でバッテリーを組んでいた達(左)と梅林
万全を期して粘り強くリード
1軍昇格が決まった後は、達にLINEで連絡。投球スタイルが大きく変わっていないことを確認した。
「カットとかでかわしたくないって記事が出ていたので、今まで通りでいいのかなって。ストレートとか、フォーク、スライダーとか、そのへんの変化球、達の好きな球を(使いたい)」。二回以降は毎回走者を出す展開となったが、粘り強くリードした。
忘れることなく携えたリストバンド
オフには米国自主トレを行った後輩右腕から、作戦を書いたカードを収納できるリストバンド「Wrist Coach」を〝お土産〟でもらっていた。
「使えるか分からないですけど、使うなら達の時」と、北海道へ送る荷物に入れていた。〝たつうめ〟コンビはそんな絆でも結ばれている。
達からのアメリカ土産を持って笑顔の梅林