旭川志峯に今春就任したOBの原田脩副部長 サブ組指導でチーム力底上げに尽力【夏の甲子園】
ミーティングを撮影する旭川志峯の原田副部長(左)=撮影・西川薫
尽誠学園での指導経験を生かす
全国高校野球選手権に3年ぶり11度目出場の旭川志峯にこの春に副部長に就任したのが、旭川大高時代のOB・原田脩さん(27)だ。国学院大学卒業後、今春までの4年間、香川・尽誠学園で寮監やコーチを務めた。日常生活の指導や控え組の底上げに取り組み、3年ぶりの北北海道大会制覇に尽力した。
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練習で打撃投手を務める原田副部長
〝非坊主〟のナインの中で、坊主頭の原田副部長が忙しく動き回っている。打撃練習では、汗だくになりながら打撃投手を務めたり、野手の守備を動画に収める。チームは就任していきなり甲子園出場を成し遂げたが、「山本先生、端場先生がやってきてくれたことが生徒に伝わったと思っている。特に自分が何かしたという感じはないです」と謙遜する。
端場部長が監督時代の教え子
原田副部長が現役時には監督を務めていた端場雅治部長(56)。教え子の指導者ぶりに端場部長は「動けるし、年も(生徒と)近い。10年も20年もずっとやっているとね、見落とすところとか、まぁこのぐらいはって思うところが出てきちゃうけど、そういうのを新鮮な視点で、どーんと言ってくれるので。そういう面ではすごく助かってます」と目を細める。
㊧実戦形式の練習で審判役を務める端場部長㊨投手役を務めた山本監督
昨年7月に打診
就任のきっかけは尽誠学園勤務時代の昨年7月。旭川への帰省時に母校にあいさつに訪れた際、「たまたまそこで教員の空きがあったので、『どうだ?』」と打診された。決め手は「やっぱり母校っていうところが一番ですかね。端場先生にも、山本先生にも話をしていただいたので、これはこのタイミングで行くしかない」と即決。3月20日の春季大会1回戦まで見届け、旭川に戻った。
生活面や野球以外の面での大切さ 母校と重なる指導方針で学び
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母校での指導には、尽誠学園での4年間が大きく生きている。「寮監としてもやらせていただいたので、生活面や野球以外のところでの大事さ。高校時代からもずっと言われていたんですけど、人間力というところでは、改めて共同生活の中ではすごい大事だなと感じたし、学べた」。また、部員には関西出身者も多く、自己主張が強い傾向があった。元々は自らガンガン生徒に言うタイプではなかったが、「やっぱり言わないといけない。今の西村監督もそうですけど、口にすることの大事さと、あとはひたすらもうノックを打ったり、そういったところで学びがありました」。母校の指導とも重なる部分が多く、指導者としての指針になっている。
主力組との温度差がなくなるように
普段の練習では、主力組が練習するグラウンドの隣で〝昇格〟を目指す選手の指導を任されている。「自分が気づいたことをずっと言っているような感じです。少しでもメイングラウンドとサブグラウンドの子らの温度差が出ないようにできたらなって」。それがチーム全体の底上げにつながっている。

アルプス席で一体感のある応援を
これから応援のために大阪入りするスタンド組にも目を向ける。「今までスタンドにいる子らは結構、好き勝手やってたっぽくて。自分が最初に来た時もだいぶひどかったので。ちょっとずつ応援する方も、きちんとできるようにしたい。人として、しっかりとなってほしいなと思っているので、応援の仕方もその一環として指導しています」。アルプス席で統率のとれた一体感のある応援を目指す。
勝ち進めば前任校との対戦も
偶然にもこの夏、旭川志峯と尽誠学園が同時に夏の甲子園出場を決めた。4日の開会式リハーサルの際には、スタンドで待機していた原田副部長の元へ、春まで指導に携わった尽誠学園の部員たちがあいさつに訪れた。「うれしい限りです。先にうちが決まったので、ずっと応援していました。指導者とも連絡を取りながら、お互い良い刺激にできたかな」。互いに勝ち進めばベスト4以上でぶつかる可能性がある。「できたらいいなと思っていますけど、うちが頑張ります」。まずは7日に32年ぶり白星をつかめるよう、手を尽くす。
4日の開会式リハーサルでは、原田副部長(右)のもとに、尽誠学園の部員らがあいさつに訪れた
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