高校野球
旭川志峯のリードオフマン・熊野瑠威が完全燃焼誓う「一番長い夏にしたい」【夏の甲子園】

将来の夢は格闘家
全国高校野球選手権に北北海道代表として3年ぶり11度目の出場となる旭川志峯は4日、午前中に兵庫県内で約2時間の練習を行い、夕方からは開会式リハーサルに臨んだ。ダブル主将の1人、熊野瑠威外野手(3年)はここまでリードオフマンとしてチームを支えてきたが、守備では重度のイップスに陥るなど苦難を乗り越えてきた。将来の夢は格闘家。今大会を最後に野球に別れを告げることになるが、甲子園では気合と根性で最後の大暴れをするつもりだ。
内野ゴロだったら全部ヘッスラで
旭川志峯の「ムードメーカー」と認められる男がチームをけん引する。「49校が出てて、自分が1番(打者)としては一番能力が低いと思うけど、気合と根性だけは絶対負けない。どんなブサイクなヒットでも打って塁に出ようと思ってます。内野ゴロ、全部ヘッドスライディング」。リードオフマンとして、ひたむきに、泥臭いプレーを前面に押し出し、攻撃の起点となる。

駒苫に憧れて野球を始めたが…
何度も夢を諦めそうになったが、ついにここまでやってきた。苫小牧市出身で、幼い頃は父・正明さん(51)に連れられて駒大苫小牧の応援に何度も甲子園に足を運んだ。沼ノ端小5年になると、駒大苫小牧でプレーした兄・圭将さん(北洋大4年)の影響で野球を始めた。
思春期から野球<格闘技
中学硬式の苫小牧リトルシニアに入団も、早めの思春期が訪れ、やんちゃな毎日を繰り返した。自然と格闘技へ興味が傾き、野球への情熱を失いかけた。3年春には野球で全国選抜大会に出場はしたが、「中学を卒業したら、タイに行ってムエタイをやりたい」と、母・泰江さん(50)に直訴。母からは「大学からやっていいから、高校までは野球をやってほしい」と、思いとどまるように説得され、最終的に「甲子園も絶対的な目標だったので」と、旭川志峯へ進学した。