２軍にいる選手の貪欲さを感じた。今季からＦＡで加入した福谷は開幕からリリーフとしてチームを支えていたが、６月６日に出場選手登録を抹消された。しかし、落ち込む様子などは見えない。３４歳とベテランの域にも入っているが、さらなる成長を目論んでいる。

　「ドラゴンズとはまた違う環境とか文化の中でやっているので、僕も吸収させてもらいながら、ここに来てまだまだ成長したい。もちろん結果も出したいですけど、それ以上に１軍に行った時、もしくはシーズンが終わった後とか、来年とかに改めて自分の場所でどうやって勝負するかとか、そういった気持ちを持ってやってます」。若い選手からのエネルギーも、福谷にとっては大きな刺激となる。「今はその彼らにも負けないエネルギーを持って毎日過ごしているつもりだし、一緒に成長できたら」。

　２軍で高打率を残している今川も「ファームにいる時はキャンプだと思っている。きのうよりきょう、うまく、強くなるためにどう過ごすか」。１軍に上がるために、というより、自分自身の成長に焦点を当てている選手が多い印象を受けた。

　稲葉２軍監督も好循環が生まれていると感じているようだ。「こっちに来た選手としっかり振り返りをして、どういうことに取り組んでいけばいいかを、コーチ陣の皆さんが話してくれているので、精神的にも『またもう一回頑張ろう！』と思いながらやってくれている。非常にいい形でやれていると思います」。下からの突き上げがあれば、上もうかうかしていられない。１軍の好調さの理由が少し垣間見えた気がする。