今川優馬 2軍西武戦で待望の今季1号3ラン 支えてくれる妻の「気持ちに応えたい」
〝今季1号〟をマークし、有薗(右)とタッチを交わす今川=撮影・十島功
■イースタン・リーグ11回戦 西武4-5日本ハム(8月2日、鎌ケ谷スタジアム)
待ちに待った一発
待望の一発が飛び出した。日本ハムの今川優馬外野手(28)が三回、西武の菅井から〝今季1号〟となる3ランを右中間スタンドに放り込んだ。今季の1軍30打席と合わせて、134打席目での初アーチだ。
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貫き通した新たなスタイル
「本当にホームランが出ていなかったので、このバッティングスタイルをやり始めてから初めて(の本塁打)。すごいモヤモヤした気持ちもあったんですけど、取り組んできたことを徹底してブレずにやってきたので、その結果、ホームランが打てたってことはすごく大きなことだと思います」。手に残る感触の余韻に浸りながら、喜びをかみしめた。

目指すは再昇格 自らに課すノルマ
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一回の第1打席でも左前打を放っており、マルチ安打をマーク。ここまで打率.387と高打率を維持している。今季は開幕1軍入りを果たすなど、1軍で30打席に立ったが打率.143で長打はゼロと結果を残すことができず、5月19日に2度目の降格となった。競争は激しく、なかなかチャンスが巡ってこないのは重々承知だ。
「僕はもう打ち続けない限りは一生、上はないと思っている」。現在は1試合2安打の〝ノルマ〟を自らに課しながら、高いモチベーションで野球に取り組んでいる。
打席に向かう前に素振りをする今川
肉体改造でスピードもアップ
昨オフに行った肉体改造の成果も感じている。前回、スプリントタイムを計測した際には記録が上がっていただけではなく、ファームで2番目の数字をマークした。
「筋肉量が増えていて、増量しながらもスプリント、足の速さが上がってきているんで、それが一番理想的」。この試合でも三回の守備で、その足を見せた。2死一、二塁から相手打者の捉えた打球が左中間を襲ったが、快足を飛ばしてダイビングキャッチ。ピンチを救う好プレーに、大きな拍手が送られた。
一瞬で過ぎる幸せな時間
攻守に充実ぶりを見せる今川。そんな彼を支えているのは、愛する妻だ。球宴休みには自宅のある札幌へと帰り、水入らずの時間を過ごした。だが、やはり別れの際の寂しさは拭うことはできない。「本当に一瞬で終わりました。家族で過ごす時間は格別。本当に申し訳ないなっていう気持ちでいっぱいです」
胸に刺さる「いつも遅くまで頑張ってくれてありがとう」
連日、夜遅くまで練習する今川に「いつも遅くまで頑張ってくれてありがとう」。そんな優しい一言が、背番号61を奮い立たせる。「そんなこと言ってくれるんだって。会うことも少ない中で、本人はすごく寂しい思い、しんどい思いをしているはずなんですけど、僕が野球選手ということをすごく尊重してくれて、一番、応援してくれている人。その気持ちに応えたいです。早く妻に喜んでもらいたいですね」

チームとともに最高の秋を迎えるために
ファンのため、そして家族のために、エスコンの舞台に戻ってみせる。
「ファイターズが日本一になるために、その優勝のラストピースになれるように」。夏の鎌ケ谷で快音を響かせ続け、秋は思い切り笑う。