松本剛 1軍合流 伏見ら周囲の人たちのおかげで取り戻した「良かった時の感覚」
およそ1カ月半ぶりに1軍に合流した松本剛
頼れるチームリーダーが戻ってきた!
日本ハムの松本剛外野手(31)が29日、およそ1カ月半ぶりに1軍に戻ってきた。
6月13日に出場選手登録を外れ、2軍で再調整。連日、猛暑が続く中、試合後も鎌ケ谷の室内練習場で大粒の汗を流してきた。
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〝選手会長効果〟抜群だった鎌ケ谷
「居残り(練習し)まくりですよ」。元気いっぱいな選手会長につられるように、進藤、宮崎、細川ら後輩たちもバットを振る。稲葉2軍監督ら首脳陣も駆け付け、室内はいつにも増して熱気にあふれていた。
室内での練習を終え、引き揚げる松本剛(左)と宮崎
真っ正面から野球と向き合った1カ月半
とことん野球と向き合った1カ月半だった。イースタン・リーグの前半戦を終えた今月中旬、松本剛は手応えを口にしていた。
「(状態は)だいぶ、良くなってきています。固め打ちも出てきた。表現は難しいですけど、ちょっと前の良かった時の感覚が久しぶりに出てきた感じがある。思い出したと言ったらおかしいかもしれないけど、やりたいと思ったことがだいぶ、できるようになった感じはすごくあります」
付きっきりで指導してくれた両コーチ
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プロ11年目の2022年にブレークし、首位打者のタイトルを獲得した。23年からは選手会長としてチームを引っ張る一方、今季は本来のバッティングを取り戻せずに苦しんでいた。2軍調整中はその打撃をじっくり見直す機会になった。
「横尾コーチと(佐藤)友亮コーチが2人とも結構、付きっきりでやってくれたので、ティーの引き出しもいろいろ教えてもらったりして、自分の中でやりたいことがだいぶリンクし始めている。それが試合で表現できるようになったのは最近なんですけど」
横尾コーチ評は「超・完璧主義」
21年以来の古巣復帰となった横尾コーチとは同い年。同じ右打者として共感することが多く、バッティング談義をする仲だった。
同コーチは「剛は技術がありすぎて、なんでもできちゃうんですよ。超・完璧主義なんですよ。僕、現役の時とか、アウトになり方は汚くてよくね?剛、ってめっちゃ話していたんですよ」と明かす。そんな若きコーチは、試合後の居残り練習にも付き合ってくれた。松本剛は「あの時もこんな話していたよな~と言いながら練習していた」と感謝する。
7月3日の試合後、室内での居残り練習に向かう松本剛(左)と横尾2軍打撃コーチ
マスク越しに注視してきたベテラン捕手
ある日、追い求めていた打ち方が、「これだ」と見つかる瞬間があった。先輩捕手の伏見とした会話に大きなヒントがあった。
今季2度目の2軍降格を告げられる直前、自身のバッティングについて尋ねていた。23年にオリックスからFA加入した女房役とは、タイトルを獲得した22年は敵同士だった。「オリックス時代に僕が打席に立っている時、どんな印象でしたかと。それがすげえいいアドバイスになって。それが今できていないなって思った。めちゃめちゃ状態は悪くなかったんですけど、正面突いたり、打ててない理由が何かあるなってそれを探していて」
的確なアドバイスに「今のオレ、それないわ」
経験豊富なベテラン捕手の助言は、的確だった。
「僕はどういうふうに見えていました?って聞いたんですよ。寅威さんも真剣に答えてくれて。後ろから見たら、そう見えていたんだなと思って、確かに今のオレ、それないわって思って」。今の自分との違いに気付かされた。

取り戻した面白さ
早速、当時の動画を見返し、その原因を探った。
「ずっと横尾コーチと一緒に映像を見たりして、良い時こうなっているね、とか話しているうちに、寅威さんと話したことをもう一回、思い出してきて。これだな、言っていることは、みたいな。この感覚が出てくればいいんだなと思って。結構、冗談抜きでそこを追い求めてやってきました。それを取り戻してきたというか、それがちょっと出ている。だからやっていて面白い。本当にありがたいなって」
あらためて思う 「必要とされる選手になりたい」
チームで野手最年長の伏見は、2軍降格後も時折、連絡をくれていたという。
「僕が偉そうなことは言えないですけど、ある程度、年齢いった人間が締めるところ締めないと、ダラダラっていくチームではあると思う。そのへんは寅威さんとピン(石井)が一緒にそういう仕事をやっているのかなって、勝手な想像ですけど。だからチーム状態もいいし。いつ呼ばれていい準備もできているので、必要とされる選手になりたいです」

さあ、ソフトバンクとの天王山へ
1ゲーム差と迫ってきている2位・ソフトバンクとの首位攻防戦に合わせて1軍復帰。
大事な3連戦で呼ばれたのは、松本剛がチームに必要な選手だからだ。