細野晴希が「ああいう人間になりたい」と誓った日 失意の2年目左腕に松本剛がかけた言葉とは
5日の阪神戦の試合後、1人でベンチに残り、グラウンドを見つめる細野
悔しい結果となった5日の阪神戦
日本ハムの細野晴希投手(23)が5日の阪神戦(エスコンフィールド北海道)に先発し、五回途中4失点でプロ初黒星を喫した。
一回、先頭から3者連続四球を与え、2点を奪われるなど、計7四球の大乱調。失意の降板となった左腕には、選手会長の松本剛外野手(31)ら寄り添ってくれるチームメートがいた。
難しい立ち上がり 「勝手に追い込まれました」
あの試合、何かがおかしかった。
「初球は良かったんです。ボールだったんですけど、いつも通りだった。3球目にストライクを狙いにいって入らなかった。そこから全部おかしくなった。どんどんやばいって、勝手に追い込まれました。感覚も全然、分からなくて…」。二、三、四回は無失点で切り抜けたが、五回に安打と四球が絡んで2点を失い、イニング途中で交代を告げられた。
5日の阪神戦、一回に2失点し、ベンチに戻る細野
途方に暮れる左腕に声をかけた選手会長
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
五回裏終了後。ベンチで、ぼう然としていた細野にそっと近づき、声をかけてくれたのが松本剛だった。
「最初、感覚なくなった? みたいに話してくれて。上沢さんもよくそれを言っていたらしくて。初回、全く分からないわって。ピッチャー、そういうのあるのかな? (登板間隔)中10日だし、難しいのかなって。ただ、初回はいいとして、五回も同じような打たれ方したので、それは良くなかったな。誰もおまえのせいだと思っていないから、また頑張れよ、みたいに言ってくれましたね」
5日の阪神戦、六回終了後、松本剛(左)と斎藤(中央)を迎える細野(手前右)
心に響いた言葉の数々
チームリーダーの愛ある言葉は、細野の心にグッと響いた。
「かっこいいなと思いました。ありがたいなっていうのと、こういう先輩になりたいなって。メンタル的にもきつかったので、あのまま1人でいてもボーっとしているだけだった。ああやって話してくれて、ありがたかったです。めちゃくちゃグッと来ました。ああいう人間になりたいなと思いました」
伊藤も郡司も万波も…そして女房役の進藤も
先輩たちの優しさに触れた。「剛さんだけではなくて、(伊藤)大海さんも話してくれましたし、郡司さんとかマンチュウ(万波)さんも声をかけてくれた。そういうところは見習いたいなと思いました」と感謝する。
大学時代からバッテリーを組む同学年の進藤も、いつものようにゲキを飛ばしてくれた。「おまえ、コントロール悪くないからって、試合の後も言ってくれました。ただ、メンタル的に自分でそっちに持って行っているから、良くないと言われました」
5日の阪神戦でバッテリーを組んだ細野(左)と進藤
次戦で雪辱&待望のプロ初勝利だ!
次回登板は13日からの広島3連戦(エスコン)となる見通し。プロ初勝利を目指す細野のバックには、温かく見守ってくれる仲間がいる。
9日の練習で、キャッチボールなどで汗を流した細野(左)=撮影・中田愛沙美