松本剛 今季2度目の降格に「原因は自分にある」 気持ちを切り替えさせてくれた周囲の人たちに感謝
2軍西武戦に勝利し、チームメートとハイタッチする松本剛=撮影・中田愛沙美
■イースタン・リーグ6回戦 西武4-5日本ハム(6月17日、鎌ケ谷スタジアム)
2軍西武戦で4打数1安打2打点
今月13日に出場選手登録を外れた日本ハムの松本剛外野手(31)が17日、2軍西武戦に「2番・左翼」でフル出場。二回に左翼へ2点適時打を放つなど、4打数1安打2打点だった。試合後は、室内練習場に直行。稲葉篤紀2軍監督(52)が見守る中、汗を流していた。
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松本剛は今の状態をこう表現する。「めちゃめちゃ悪いって感じじゃないけれど、めちゃめちゃ良いとは言えない」。1軍では出場機会が限られ、少ないチャンスをものにしないといけない。重圧を感じていた部分もあった。
5月中旬の再調整を経て昇格してきたが、今月12日に今季2度目の2軍降格を告げられた。その事実を受け止めるのは時間が掛かった。
二回に2点タイムリーを放った松本剛
誰もが文句を言えないくらいの力を
「結構、へこみましたね。あまり自分の中でイメージしていなかったのが正直なところなので…。そこは悔しさもありましたし、モヤモヤした感じがあったんですけど、何を言っても、決めるのは僕ではないので、と自分に言い聞かせて。誰もが落とせないような成績を残せなかった自分に責任がある。全員が全員、お前は(2軍に)落とされる選手じゃないだろと思っていないから、落とされている。今のチーム状況で今の僕の状態だったら、ファームに行ってもらった方がいいなって思われた時点で僕の責任だと思う。そこは改めて、誰もが文句を言えないくらいの成績というか力をつけて、また戻れるようにと思います」
22年に首位打者のタイトルを獲得し、ここまで選手会長としてチームを引っ張ってきた。再調整を告げられ、1、2軍を行き来していた頃の感情がよみがえってきた。
「その感情が今回めちゃめちゃ現れた。もう一回…に変えないと」
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「やっぱり原因は自分にあるなって、冷静になった時に思いました。すぐは冷静になれないけど…。やっぱりだって悔しいし、納得いかないと思わないといけないと思うし。すんなりオッケーオッケーと思うよりも、自分の中で悔しさは常に持たないといけないと思うし、その感情が今回めちゃめちゃ現れたので。もう一回、その悔しさを頑張ろうって風に変えないといけないし。どうしたら必要とされるか、また考えないといけない」
2軍首脳陣の言葉でモヤモヤが解消
失意のどん底にいた松本剛を救ってくれたのは、2軍首脳陣だった。結果を出せずに苦しんでいた状態を気に掛けてくれた。
「ファームに来た時、いろんなコーチが声を掛けてくれて。佐藤コーチもそうだし、横(尾)さんもそうだし、みんな気に掛けてくれているし、ありがたいなって思いますね。本当は自分でやらないといけない立場ですし、自分で解決しないとと分かっているんですけど。それでモヤモヤしているところに手を差し伸べて、アドバイスをくれるので、何とか状態上げたいですね」
試合後も助言をくれた稲葉2軍監督
稲葉監督もその1人。試合後、室内でトス打撃をしていた松本剛に歩み寄り、軸足の使い方についてアドバイスをくれた。
「いやあ、うれしいっすよ。こうやって気に掛けていただいて、わざわざ。なかなか切り替えが難しかったのが、正直あった。モヤモヤした部分も結構あったので。いろんな人と話していくうちに、目の前のできることをやるしかないなっていうのが出た答え。また、チームに必要とされる選手にもう一度なれるようにガムシャラにやりたいです」
試合後、室内で汗を流す松本剛(左)に稲葉2軍監督がアドバイス
原点の地から再出発
この日、鎌ケ谷の最高気温は34度。夏本番の暑さの中、朝から夕方まで懸命にバットを振り続けた。
「もう一回、鍛錬の場所だと思うので、しっかり練習して、やれることをやって、見ている人は見てくれていると思う。みんな気に掛けてくれる。ファンの方なんかもすごい声を掛けてくれてるし。わざわざ鎌ケ谷に来てくれていますから」。周囲の人に支えられ、〝原点の地〟から再スタートを切った。
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