松本剛 降格前日も復調を信じて早出ランニング 黙々と走りながら想像していたのはー
出場選手登録を抹消された松本剛
チームリーダーが今季2度目の降格
日本ハムの松本剛外野手(31)が13日、出場選手登録を抹消された。5月中旬の2軍調整を経て昇格してきたが、打撃の状態が上がらず、再び鎌ケ谷へ向かうことになった。
前日12日にはただ一人、早い時間からエスコンのグラウンドに出てきて、黙々と走り続けていた。置かれた状況を真っすぐに受け止め、復調のきっかけを探していた。
5試合連続のスタメン落ち
まだ誰もいない静かなグラウンドに短パン、Tシャツのラフな格好で現れた。土との境目が近い天然芝の外側部分を一定のペースで走った。
8日のDeNA戦(横浜)に代打で出場し、中飛に倒れてから出番がなかった。ベンチで過ごす時間が長くなり、何ができるか、何をすべきか、考えて行動していた。

いつだって怠らない入念な準備
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練習前の早出ランニングもその一環で「試合に出ていないので、走っておかないと運動量がどうしても減っちゃう。ずっと試合に出ている選手は逆に(オーバーワークにならないように)調整しなきゃいけないけど、出ていない人間は練習でちょっと息を上げたり、心拍も上げておかないと、いざ試合に出た時にきつくなっちゃうので」と説明した。
試合日の全体練習は短く、空いた時間の使い方は個々の判断に任される。松本剛は休むことも必要で、人によって正解は異なると認めた上で「僕はちょっと物足りないというか。そこは自分の中である程度、量も求めながらやりたいなと思っています」と続けた。
状態アップへ試行錯誤
1人のランニングにはもう一つ、意味があった。
「基本、何か考えていますね。ランニングしている時は、良いイメージを思い浮かべることが多いです。打っているところを想像したりとか。極論、ヒーローインタビューを受けているところを想像したりだとか」。頭の中を整理し、ポジティブ思考で試合に向かうための手段でもあった。

現実を受け止めて前へ
新庄監督就任後、レギュラーをつかみ取り、2022年には首位打者に輝いた。選手会長も任され、名実ともにリーダーとなった。それでも今、試練に直面している。
フラストレーションはたまるはずだが「自分ではどうしようもないですし、そういう状況にしてしまっているのは自分の責任なので。今はなかなか出番が来ないですけど、もう一回、必ずチャンスが来ると思うので、そこに向けて準備する。下を向いているわけではないですよ」と逆襲を期していた。
チームに不可欠な背番号7 待ち遠しい完全復活
常に結果が求められる厳しい世界。復調を信じて試行錯誤する中、2軍降格を告げられた。
ただ、シーズンまだまだ続く。折れそうな心を奮い立たせ、もがき続けた時間はきっと、未来に生きてくる。
