北山亘基 自己最速157キロ&2回完全で敢闘選手賞 「野球は手段」と位置付ける理由はー
2回をパーフェクトに抑え、敢闘選手賞を受賞した北山(中央)=撮影・井上浩明
■オールスター第1戦 全セ1-5全パ(7月23日、京セラドーム大阪)
自身初の夢舞台で文字通りの躍動
日本ハムの北山亘基投手(26)が六回から救援し、2回パーフェクトの快投を見せた。
自己最速157キロを計測し、敢闘選手賞を受賞。華やかな舞台で輝きを放った。
セ界の強打者を相手に6アウトすべて外野フライ
牧、森下、佐藤輝らセ・リーグを代表する強打者たちをねじ伏せた。直球でグイグイと攻め、終わってみれば、6つのアウトすべてが外野フライだった。
「もうちょっと変化球を投げるつもりだったんですけど、なんか雰囲気的に真っすぐでいけるかなと。最後はちょっと次の登板を考えて、さすがに(変化球を)混ぜたんですけど。全部、外野フライですよね。なんか面白かったですね。あとは160キロが出なかったので、悔しいです(笑)」と、ちゃめっ気たっぷりに振り返った。

条件は整い「全然あるかなと」
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2024年のオープン戦で157キロを計測していたが、この球宴で再び到達した。ただ、最速更新は、ひそかに狙っていた。
リーグ戦での登板から中6日のマウンドで、久しぶりのリリーフ。一定の条件は整っていて「短いイニングしか投げないので、全然あるかなと思っていたんですけど。表舞台では(157キロが)初めてなので、とりあえずMAX57と言える(笑)。背番号に追い付いたのでOKです」と目を細めた。
六回を無失点に抑え、万波(右)と清宮(左)に迎えられる北山
背番号57はなぜ投げ続けるのか
シーズン中の張り詰めた空気はなかった。登板直後に「楽しめました」と笑みをこぼした。野球を職業にした時から、プロ選手が特別だと思っていなかった。
「今は野球という手段を使って、たまたま才能があったから頑張ろうと。目的がない人は、ただ野球がうまいだけ。お金を稼いだところでなんの魅力もない。自分だけ幸せ。活躍してお金を稼いで、いいものを買って、豪華な生活をして終わり。いいプレーを見せて感動させたい、周りの人にいい影響を与えたいと思うのだったら、お金を稼ぐ価値があると思う」
自分以外の笑顔に見いだす価値
活躍しても、年俸が上がっても、その価値観は全くぶれなかった。だから、いつも自らを律して鍛錬を続けられる。「野球を使ってみんなに喜んでもらうことに価値がある。根底の部分を大事に。その上で野球がもっとうまくなったら、なお格好いいじゃんと。まだ全然、納得していないですし、偉そうなことは言えないですけどね」
一流が集まる場所でただ、力を誇示しただけではない。チームの仲間やファンを沸かせたことが、北山の喜びにつながっていた。
試合後、集合写真を撮る北山(1段目中央)ら日本ハムの選手たち