【プレーバック】南北海道大会1回戦 北星大付3-4知内(7月10日、札幌円山)

知内の高草木監督が南大会初勝利
北星大付と知内の一戦は序盤から手に汗握る展開が続いた。知内は一回、北星大付の先発・片岡侑士投手(3年)の乱れたところを見逃さなかった。冷静にボールを見極めながら、4四死球による押し出しで先制。さらに、6番・板垣宏征主将(3年)が北星大付の2番手・畠山大輝投手(3年)から右前2点打を放ち、いきなり3得点の先制パンチを食らわせた。
しかし、北星大付もすぐさま反撃に転じた。直後の二回、先頭の若松七聖(ななせ)主将(3年)の左前打を皮切りに、知内の先発・田澤慶明投手(3年)から3連続長短打を放つなどして2点を返すことに成功した。
点の取り合いの立ち上がりだったが、三回以降は知内の田澤、北星大付の畠山両投手が粘りの投球を見せる。野沢は味方の攻守にも支えられながら、無失点で試合を進めていくと、畠山も四回に1失点したが、それ以外はゼロを刻み、試合は2点差で終盤へと突入した。
そして、最大の見せ場は九回にやってきた。2点を追う北星大付は2死一、二塁のチャンスを作り出すと、3番・畑未来翔(みくと)内野手が右越えの適時二塁打で1点差に迫った。なおも二、三塁のサヨナラ機で若松が打席に入った。勝負の結末は知内のエースと北星大付の4番に託された。最後は田澤が直球で押し切り、若松を捕邪飛に仕留めた。エースが132球の熱投を見せて、知内が3年ぶりの8強入りを決めた。
■南北海道大会初勝利となった知内の高草木穣監督(57)
「取ったり取られたり、という展開になるのは分かっていたので、ランナーを置いて、いかに守れるか。よく頑張ったと思います」
■春季全道大会に続く完投勝利を記録した知内の田澤慶明投手(3年)
「最後は4番の若松くんだったので、打たれたら負けという思いがあった。制球を大事にしながらギアを上げることも心掛けて投げました」