■全国高校野球選手権南北海道大会公式練習（７月９日、札幌円山）

　２年連続出場の知内は、１０日の第２試合で北星大付と戦う。春季全道大会４強入りに導いた田澤慶明投手（３年）は初戦突破に闘志を燃やしている。積極果敢にスイングしてくる北星大付の打線をイメージしながら「真っすぐをコースに投げ込んでカウントを取っていきたい」。最速１４１キロの直球を軸に、相手を圧倒するつもりだ。高草木穣監督（５７）もエースの順調な仕上がりに太鼓判を押した。「順調にいい調整ができたと思います」。

春季全道４強自信に危なげなく支部突破

　春の全道ベスト４を自信に、危なげなく勝ち上がってきた。初戦は森・八雲連合を１０－０の五回コールド、代表決定戦でも七飯・大野農連合を８－０の七回コールドで退けた。田澤も代表決定戦で先発し、７回３安打無失点の好投を見せた。春季全道大会では北照相手に１１回２失点の完投勝利。強豪の集う舞台でも存在感を示した。「自分は緩急が持ち味で、その緩急を生かしたピッチングでベスト４まで上がってこられることが分かり、自信になりました」。

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高草木監督「夏は全く別物」

　ついに、最後の夏が始まる。母校の砂川北を率いて、北北海道大会準優勝の経験もある高草木監督は「夏は全く別物。そういう感覚です」。どのチームも春より状態は上向いており、さらに１球への執念も、まるで違ったものとなる。また、北星大付には春先の練習試合で勝利しているが、この結果も度外視する。「向こうもグラウンドに出たばかりだったし、全く参考にならない」。意地のぶつかり合いとなる夏の戦いは「どんな形でもいいから点を取る意識じゃないと、点を取れないと思う」。目の前の１球、１プレーに集中して、一戦必勝の姿勢で戦っていく。

プロ入りした坂本先輩の準優勝超えるぞ

　あと４回勝てば、悲願の甲子園だ。２０２２年には現ヤクルトの坂本拓己投手（２１）を擁し、準優勝まで駆け上がった。その偉大な先輩を超えてみせる。田澤は「甲子園で校歌を歌うことが目標。一つずつアウトを重ねて、勝利を重ねて、甲子園まで公式戦を積み重ねる」。右腕の魂を込めた投球が、チームを大きく勇気づける。