宮大樹&浦上仁騎が移籍後初のクリーンシート達成! 薄氷の勝利が意味するものは…
試合終了のホイッスルが鳴ってガッツポーズする(左から)DF宮、浦上、GK高木ら=撮影・松本奈央
■J2第22節 札幌1-0山口(7月5日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌は5日、ホームで山口と対戦し1-0で勝利した。最終ラインを形成したDF宮大樹(29)とDF浦上仁騎(28)は、ゲームを通して高い集中力を保ち、移籍後初のクリーンシートを達成。リーグ戦9試合ぶりの無失点で今季初の3連勝を飾ったクラブは、勢いを持って次節・磐田戦へ向かう。
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耐えに耐えて、虎の子の1点を守り抜いた。前半終了間際にバカヨコのゴールで先制した札幌は後半、反撃に出る山口に手を焼き、守勢に回る時間が長くなった。切れ味鋭いショートカウンターを繰り出す相手に対して、DF陣は最後までハードワークを貫いた。
無失点での3連勝も内容には苦言 宮「前線の選手の追い方を含め…」
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幾度もゴールを脅かされながら薄氷の勝利を得た試合後、宮は開口一番に反省を口にした。「3連勝中の試合内容でいうと、きょうが一番良くなかった。ただ、その中で勝てたことはチームにとって非常に大きい。取られたくないエリアに簡単に侵入されることもあったので、後ろだけじゃなく前線の選手の追い方を含めて修正が必要」と、勝って兜の緒を締めた。
後半、ゴール前で指示を出すDF宮(右から2人目)
CBで先発した浦上は、ゲーム途中で右SBへポジションチェンジ。「このチームに来るときから後ろはどこでもできるし、ボランチもできると思っていた。(岩政)大樹さんもいろいろ考えてくれているので、与えられたポジションでしっかり役割を果たすだけ。きょうは無失点ということで最低限の仕事を全うできたかな」と、受け持った複数の任務を最後まで淡々と遂行した。
押し込まれる時間帯も、選手たちは一枚岩となって強固な守備網を構築した。浦上は「サッカーには裏表がある。僕たちが前半の最後に点を取ったことで、相手は点を取らないといけないのでより前に出てきた。後半は苦しい時間帯が続いたが、それもある程度想定していたのでしっかり対応できた。(高木)駿くん、宮くんを中心にしっかり話をして、最後のところで体を張ることができた」と、ゲームを重ねるたびに深まる連係に確かな手応えを感じ取った。
前半、パスをまわすDF浦上
6月の特別ウインドーで2人が加入して以降、札幌はリーグ戦で3勝1分けと負けなしだ。経験豊富な男たちは歓喜に沸く周囲をよそに、それぞれが明確な課題を挙げた。
宮は「前線の選手が点を取れなかった後の切り替えの遅さが気になった。悔しいのは分かるけど、もう一度守備を頑張るぞっていう意識が、一番チームのためになる。いかに献身性を持って戦えるか」と仲間たちに問いかける。
一方の浦上も「点を取る前も後もチャンスはあった。仕留める力、決めきる力が必要。僕の経験上、サッカーでは良い時間帯でも事故による失点がある。それがあっても勝ちきれるチームにならないといけない」と追加点の必要性を訴えた。
新しく吹く風は着実に、札幌のサッカーを前進させている。勝負の後半戦。最後方で奮闘するDFコンビが、クラブを上位浮上に導く。
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