マルティネス 2安打1打点で勝利に貢献 ファンは「原動力」
三回2死二塁、マルティネスが適時二塁打を放つ=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ12回戦 楽天1-7日本ハム(7月4日、エスコンフィールド北海道)
チャンスでの一打を含むマルチ安打
日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(29)が「3番・一塁」で先発出場した。適時二塁打を含むマルチ安打をマークし、2安打1打点1得点と活躍。チームの連敗ストップに大きく貢献した。
9年ぶりのリーグ優勝が懸かる後半戦の戦いに向けて、頼れる男が上昇気流に乗ってきた。
F党の前で大暴れ 「幸せな一日になりました」
「この球場で打てたことが本当にうれしかったです。幸せな一日になりました」
4月6日のオリックス戦以来3カ月ぶりにエスコンの舞台に帰ってきた背番号2が、帰還を待ち望んでいた北海道のファンの前で、チームを勝利に導く活躍を見せた。
ヒーローインタビューで笑顔を見せるマルティネス(右)
13打席ぶりの一打で名誉挽回
三回の第2打席は1点を勝ち越した直後に訪れた。2死二塁のチャンスで、楽天先発・早川のストレートを左中間へとはじき返し、試合の流れを大きく引き寄せる3点目をチームにもたらした。
自身13打席ぶりとなる安打を生み出す原動力となったのが、これまでチャンスで活躍できずに味わった悔しい思いだった。「前回、自分が得点圏のシーンで与えられた打席は、バンテリンドームでの代打だったんですけど、あの時は残念ながら、そのチャンスを生かすことができなくて、非常に悔しい思いをしました」
取り戻した笑顔 「すごいうれしいです」
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6月20日、21日の中日戦では、いずれもチャンスの場面で代打として打席に立ったが、両打席とも凡退。その後もなかなか安打を生み出すことができなかったが、北海道のファンの歓声を全身に浴びて、ついに復活を遂げた。
「きょう勝つことは、本当に重要だと自分で思っていましたし、試合における重要な場面で打つことができて良かったです。チームも勝って、ほぼ全員がヒットを打ったので、全てにおいてすごいうれしいです」。長いトンネルを抜けたことで、その表情には久しぶりに笑顔が浮かんでいた。
三回2死二塁、マルティネスが適時二塁打を放ち、ガッツポーズ
鳴りを潜めた勝負強さ
2023年の日本ハム加入以降、勝負強い打撃でチームに貢献し続けてきたが、迎えた在籍3年目の今季は、スタートで大きくつまずいた。開幕からの11打席で生まれた安打はわずかに1本と低迷。追い打ちをかけるように、右前腕を負傷。4月9日の樂天戦を最後に長期離脱を強いられることとなった。
心の支えとなったファンの励まし
好調をキープする1軍を横目に、鎌ケ谷で黙々とリハビリ、調整を行う日々。そんな中で心の支えとなったのが、2年間ともに戦ってきた日本ハムファンからの熱い応援の声だった。
「自分がけがで調整していた時期も、ファンの方がたくさんメッセージをくださって。そのファンのためにも、一日でも早く戻りたいと思っていました。本当にファンの存在は、自分の原動力だと思っています」
2軍での調整を終えて、1軍再合流を果たしたのが6月17日の巨人戦。そこから4カード続いた長いビジター連戦を経て、ようやくこの日、エスコンのファンの元へと帰還を果たした。
「久々にファンの前に自分が出た時に、歓声が『ワーッ!』と上がって、ウルッときました。本当に、ファンの存在は自分にとって大きいです」。支えてくれたファンへの思いをバットに乗せて、この日の活躍へとつなげてみせた。
ファンに手を振る水谷(左)とマルティネス
さあ本領発揮だ!
この日の勝利で連敗を「3」で止めて2位に浮上。首位のオリックスにもゲーム差なしで、背後にピッタリと付けている。
「まだあしたからも試合があるので、気持ちを切り替えて。あしたからまた良い試合ができるように、このリズムを継続できるようにと思っています」。頼れる助っ人がファンの心遣いに励まされ、ファンの声援でよみがえった。