マルティネス 1カ月ぶりに実戦復帰で快音 チーム引っ張るKJMにメッセージ
2軍巨人戦で実戦復帰したマルティネス=撮影・近藤裕介
■イースタン・リーグ8回戦 巨人2-9日本ハム(5月14日、鎌ケ谷スタジアム)
自身も納得の2打数1安打1四球
右前腕の負傷で離脱していた日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(28)が「2番・DH」で先発し、約1カ月ぶりに実戦復帰を果たした。
第1打席は三ゴロに倒れたが、2打席目には右前打をマーク。2打数1安打1四球で回復ぶりをアピールし「負傷している間に、全力で日頃のリハビリメニューに取り組んでいたので、きょう、とても良い感覚で臨むことができました。今に関しては、あまり結果は気にする時期じゃないのかな。結果よりも質を意識してやっていました。でも、1本出て良かったですね。一番大事なのは、感覚が良いことで、そういう意味ですごい、安心しています」と笑顔を見せた。

本領発揮にはほど遠い数字
今季はけがの影響もあり、開幕から不振が続いた。6試合に出場し11打数1安打、打率.091の8三振。「腕を使って強く振り抜く動作が、全般的に難しかった」と振り返る。
4月9日の楽天戦を最後に、戦線を離脱することとなり、「ストレスはちょっとありましたね。なんでかというと、1軍にいる時から体のケアは強く意識していたつもりでしたし、ウエートトレーニングも続けていました。それなのに、このように負傷してしまったことに対して、すごいフラストレーションがたまりました」と当時の心境を明かした。
前を向くきっかけをくれた新庄監督
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新庄監督からの言葉が、リハビリ期間中の支えになった。約2週間前と1週間前に計2度、打撃の改善ポイントなどについての助言が届いた。
「新庄さんからメッセージをいただいたことで、『あぁ、自分を見てくださってるんだな』というふうに思いました。そこでちょっと打撃の指摘があり、『今からでも、時間を取りながら、こういうできることがあるんじゃない?』という感じで言っていただけたので、今は助言に沿って取り組んでます」。気持ちを切り替えて前を向くきっかけになった。

心待ちにするチームへの合流
チームは今、パ・リーグ首位と好調だ。マルティネスは1軍を離れてからも、チームメートたちの状況を常にチェックしている。
「今、その場に入れていないことは、すごい自分で責任を感じています。でも実際、自分が(1軍に)戻った頃にもきっと、今の良い雰囲気は続いていると思うので、そこでまた、周りのみんなと一緒に勝負に臨める、ということが非常に楽しみです」。仲間の輪に加われる日を心待ちにしている。
心強いKJMの存在
自身が不在の間、打線の中心を担っている清宮、野村、万波に対しては、熱いエールを送った。
「第三者としてではなく、チームメートとして、彼らの良い結果を常に応援しています。この3人が打つとチームが盛り上がるし、間違いなく勢いづく。やっぱりその分、彼らには頑張ってもらいたい」
開幕直後の試合前練習でダッシュするマルティネス(左)と清宮幸
着実に力強く完全復活へ
もちろん、なるべく早く後輩たちと同じ舞台に立ちたい気持ちはある。それでも、焦りが禁物であることは、自身が一番、理解している。守備復帰の時期は未定で「正直言うと、思い切ってやりたいですけど、もう一回、再発してしまったり、せっかく治ってきた症状がまた悪化してしまうことが心配。今はできる範囲のことは何か考えて、できる範囲で積極的に強く送球をしていこうと、そういう意識でやっています」と慎重に前進を続けている。
この経験を無駄にはしない
患部の状態は「(日本語で)大丈夫。ノープロブレム」と良好だ。
「長い人生においては、いろんなことがあるということだと思うので、今回は自分にとっての試練だったのかなと思っています」。試練を乗り越え、さらに成長した姿で北海道のファンの前に戻るつもりだ。