野村佑希 決めた2年ぶりのKJM砲揃い踏み 清宮と万波に感じたすごみとはー
九回2死、5号ソロを放った野村がベンチに迎えられる=撮影・小田岳史
■パ・リーグ8回戦 日本ハム7-3オリックス(5月6日、京セラドーム大阪)
清宮&万波に続いたダメ押し弾
日本ハムの野村佑希内野手(24)が九回、左翼席中段へ、ダメ押しの一発を放り込んだ。
5番の清宮幸太郎内野手(25)、6番の万波中正外野手(25)も本塁打を放ち、2年ぶりに〝KJM砲〟が揃い踏み。鮮烈なインパクトを残し、首位争いのライバルを撃破した。
〝王手〟で迎えた九回の第5打席で決めた
不動の4番が、トリを飾った。3点リードの九回2死で打席に入り、豪快にバットを振り抜いた。打った瞬間にスタンドインを確信した一撃。2023年4月9日のオリックス戦(京セラ)以来2年ぶりに3人のアーチ共演を実現させた。
「(久しぶりだと)打ってから気付きました。そういえば、そうだなと。3人で打てば、自然と点が入るのは誰が見ても明らかなので、しっかり継続していければと思います」と声を弾ませた。
【23年4月9日:清宮だ!野村だ!万波だ! 若き中軸ド派手3発】
九回2死、5号ソロを放つ野村=撮影・岩崎勝
打線に火を付けたのは不動の4番
前夜の完封負けのうっぷんを晴らした。きっかけをつくったのは野村だった。二回に東の直球を引っ張り、三塁線を抜く二塁打。これに呼応し、清宮幸、万波が連続の適時二塁打で続いた。流れを完全に引き寄せた。
互いに刺激を受け、リスペクトしてきた3人
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入団以来、切磋琢磨してきた間柄。2軍で過ごす時間が長かった修行時代から、互いをライバル視しながらも3人で中軸を担うと信じて突き進んでいた。
それぞれがストイックな側面を持っている。野村は「私生活でもキヨさんは食べるものから気を付けているし、マンチュウはアップ、準備から自分の(決めた)ことをやっている。野球に対する姿勢というか、本当に人生を懸けている感じがすごいなと思います」とリスペクトしている。
勝利のハイタッチをする清宮幸(左から3人目)、野村(中央)、万波(右端)ら日本ハムナイン
三者三様の技術を冷静に分析
技術面でも、自身とは異なる強みを持ち合わせているという。
「マンチュウは身体能力が圧倒的に高い。肩も強いし、バッティングの飛距離も走塁も体の強さがベースにある。キヨさんはやっぱり選球眼。打つべき球をしっかり打つというか、そういうところの見極めは本当にすごい」
精神的にも成長を遂げた若き主砲
2人に刺激を受けてきた。自身は開幕から4番を任され、最初のノルマだった15試合をクリア。そのまま継続起用され、倍の30試合が過ぎた。スタメン落ちや2軍降格の不安に駆られ、押しつぶされそうになっていた過去とは違う。
「今年に関しては出るだけではなくて、どういう役割なのか、頭を使いながらプレーしていて、すごく充実感のある毎日を過ごしています。メンタル的にも、自分と戦っていては面白くないなと、去年1年間を通して経験できた。どうすればチームが勝てるか、というところに目を向けていますし、そういう状態で試合に出られているのは幸せなこと」

ついに目覚めた背番号「5」
目先の結果や数字に惑わされない。チームを勝たせるための仕事に集中している。
新庄監督に背中を押された「J」は今、呪縛から解き放たれ、覚醒のシーズンを戦っている。