アマスポーツ
2021/12/31 14:22

全国高校ラグビー 札山の手 シード校・大阪桐蔭に惜敗

札山の手のSOヴァハフォラウは相手の防御を割って前に突き進む

■全国高校ラグビー 第4日 30日、大阪・ 花園ラグビー場

 2回戦を迎えた札山の手は、3年前の覇者でシード校の大阪桐蔭に7―22で敗れた。前半3分、フランカー山本育弥(3年)がモールからトライを決めて先制したが、その後、2トライで逆転を許すと、後半にも2トライで引き離され、屈した。来春で定年の佐藤幹夫監督(60)は、総監督としてチームに携わる予定だ。

 札山の手が、シード校相手に一歩も引かず、最後まで堂々と渡り合った。監督ラストマッチとなった佐藤監督は「今年一番の試合でした。もう1本取ったら分からなかった。惜しかった」と、選手の健闘をたたえた。
 前半3分、見せ場はいきなり訪れた。相手陣内の左サイド。ゴールまで残り5メートル地点で得たラインアウトから、最後は山本がモールから押し込んだ。「前半10分に絶対に集中して先制点を取ろうと決めていた」と、花園初トライを決めた。
 先発のFW平均体重は札山の手が92キロに対して、大阪桐蔭が95・6キロ。山本は「相手はフォワードが強いので、前に出られると、そこからバックスに点を取られる」と積極的に前へ出た。重量級FWを相手に押し負けることなく、魂のこもったタックルで何度も相手の出足を止めた。
 攻撃では188センチ、93キロのSOステファン・ヴァハフォラウ(3年)が強烈な突破で相手を脅かした。「幹夫先生のラスト。自分たちの代も最後のチャンスだった」。タックルしてきた相手を引きずりながらも攻め込んだ。佐藤監督は「サイズもスピードもあるし、リーチ選手の様になってほしい」と、将来の飛躍に期待をこめた。
 シード校撃破という目標達成はかなわなかったが、WTB吉田慎吾主将(3年)は「やってきたことは全て出せた。悔いはない。最後まで諦めない姿勢は見せられた」と、後輩に夢の達成を託した。

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