山県秀が持ち前の堅守を披露 戦い抜いた交流戦の経験を糧にさらなる成長を遂げる
四回無死、中日・佐藤の打球を好捕した山県=撮影・松本奈央
■セ・パ交流戦3回戦 日本ハム1-4中日(6月22日、バンテリンドームナゴヤ)
日本ハムの山県秀内野手(23)が「8番・遊撃」で先発出場。ヒットこそ生まれなかったものの、守備で好プレーを披露し、存在感をアピールした。3週間に渡って行われた交流戦も、この試合をもって終了。ドラフト5位ルーキーは駆け抜けた交流戦の中で得た経験を糧に、再びパ・リーグ勢との戦いに挑む。
佐藤龍世のライナーを好捕
三回に3点を追加され、0-4とリードを広げられた中で迎えた四回の守備。中日・佐藤が放った痛烈なライナーを、山県が横っ飛びでキャッチし、先頭打者の出塁を阻止した。「結構、回転が掛かっていて、難しい打球だったんですけど、しっかり捕りに行った結果、滑った形のようになって。最初から膝をついて、スライディングしてから捕るんじゃなくて、ああいう形になったというのが自分としては良かったです」と、好捕に至るまでの動作に、手応えを感じることができたプレーとなった。
四回無死、中日・佐藤の打球を好捕した山県=撮影・井上浩明
膝に死球受けるも大事には至らず
直後の五回には左膝にデットボールを受け、治療のため一度ベンチ裏に下がったが、「圧迫だけしてもらおうと思って。後に響かないようにということで行った治療だったので、全然大丈夫です」と幸い大事には至らず、無事にフル出場を果たした。
お立ち台に立つような日もあれば 悔しい苦い経験もあった
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プロとして初めて戦った交流戦では、全18試合中17試合(うち先発15試合)に出場。今月4日の阪神戦ではプロ初ホームランを放ち、得意の守備でもノーエラーで終えるなど、チームの大事な戦力として戦い抜いた。懸命に駆け抜けた日々を「本当に充実していた」と振り返るが、その言葉に含まれる意味は、決してポジティブなものだけではなかった。
6月4日の阪神戦では四回2死一塁で山県が2点本塁打を放ち、ガッツポーズを見せる
「良い結果が出た日もありますし、自分のせいで負けてしまった試合もあります。一個一個の試合で、もっとこうできたかなとか、ここはこれで良かったかなとか、そういうものが出た」。お立ち台も経験した。サイ・ヤング賞投手バウアーから2本の二塁打を放った試合もあった。その一方で、バント失敗や、チャンスでの凡退という苦い経験もした。だがそれをただ悔しいだけでは終わらせない強さを、山県は持ち合わせている。「そういうことを自分の成長につなげられている。そういうふうに思った3週間ですね」。
6月6日のDeNA戦では三回にバウアーから二塁打を放った山県
27日からはリーグ戦が再開
様々な経験を積んだ交流戦を終えて27日からはリーグ戦が再開する。「こうやって1軍で出させていただいている以上、少しでもチームに貢献できるようにやっていくだけだと思うので。しっかり課題を見つめながら、成長しながら、これからチームの戦力に少しずつなっていけたら」。成長への強い意欲を示す若武者が、9年ぶりのリーグ制覇へ、歩みを一歩ずつ進めていく。

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