ルーキー山県秀 バウアーから衝撃〝マルチ二塁打〟もバントミス反省 「復習」を大切にー
三回無死、二塁打を放ち、ガッツポーズの山県=撮影・小田岳史
■セ・パ交流戦1回戦 日本ハム1-2DeNA(6月6日、横浜スタジアム)
プロ初弾から2日 今度はサイ・ヤング賞右腕から2二塁打
日本ハムのドラフト5位ルーキー・山県秀内野手(23)が先発出場し、トレバー・バウアー投手(34)から二塁打2本をマークした。
メジャーでサイ・ヤング賞を獲得した右腕に食らい付き、対応。4日にプロ1号本塁打を放ち、周囲を驚かせた守備職人が、再びバットで見せた。
勢いに乗っているバット 「いい感じに体が反応してくれました」
大きすぎる相手にも、ひるまなかった。桁違いの実績を持つバウアーと初めて対戦し、三回と五回にいずれも二塁打。3月まで大学生だった新人が突破口を開き「1打席目は浮いたシュートで、いい感じに体が反応してくれました。2打席目は打ち取られた形ですけど、ヒットになってくれて。たまたまですけど、2本出たことはすごくうれしい」と控えめに喜んだ。
三回無死、二塁打を放つ山県
想像以上のボール
事前情報は頭にインプットしていた。ただ、実際に打席に入ると、バウアーの投球は想像を超えていたという。
「真っすぐが速いですし、変化球の曲がり幅、落ち幅が大きい。大学では絶対に見たことがないピッチャーでした」
怠らない研究と開き直り
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今はほとんどの投手が初顔合わせだ。重要なのは準備で、データの蓄積がない分、映像で自身と似たタイプの打者がどう攻められているか、チェックする。その上で「それでも全然、違う配球で来ることもあります。その時の体の反応がうまくいけば、打てますし、打てない時は打てないです」と開き直ってバットを振っている。
五回2死、二塁打を放った山県
復習はお手のもの 「考えながらできている」
プロ球界には珍しく、国内屈指の進学校・早大学院高出身。高い学力を身に付けた思考と行動が、野球にも生きている。
「毎日、いい結果、悪い結果を問わず、復習します。そこから学ぶことは多くて。いい結果が出たからといって喜ばない。一喜一憂せず、次の打席に向けてどうアプローチしていくか、考えながらできていることが、いいのかなと思います」
五回2死、二塁打を放った山県=撮影・岩崎勝
練習でできていたことが…
この日の試合では、悔やまれるシーンもあった。七回無死一塁。送りバントのサインも、捕邪飛に倒れ「自分みたいなタイプはあそこでしっかり決めないといけない。練習で決めてきたので、自信を持って打席に入りましたけど、試合で決められないと意味がない。またバント練習をしっかりして、一発で決められるようにこれからやっていきます」と猛省した。
すべては血となり肉となる
〝守備に特化した選手〟というドラフト当時の前評判を覆し、バットでも1軍戦力として機能している山県。手痛い失敗も糧にしながら、一流への階段を上がっていく。
七回無死一塁、山県のバントは捕邪飛となる=撮影・岩崎勝