北海が完封リレーで春3連覇王手 1年生の森投手がロング救援で好投【春季全道大会】
一回2死三塁で登板した北海の森は、5回1/3を投げ無失点=撮影・西川薫
■春季全道高校野球(5月31日、札幌円山)
▽準決勝 白樺0-6北海
スクランブル登板なんの 三塁踏ませぬ堂々ピッチ
3連覇を狙う北海が、4投手の継投で昨夏の北北海道大会王者の白樺を完封リレーで下した。一回2死三塁で救援した2番手の森健成投手(1年)が、自身3度目の登板で自己最長となる5回1/3を投げ、散発3安打、無失点。一度も三塁を踏ませない見事な投球で、2季連続の道大会決勝進出に貢献した。6月1日の決勝では初優勝狙う旭川実業と対戦する。
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試合開始すぐ、マウンドに呼ばれた森はルーキーらしからぬ落ち着いた投球で、昨夏の甲子園経験者が名を連ねる白樺打線から、次々と凡打の山を築き上げた。「思っていたより早いタイミングの登板だったので、試合前から気持ちを作ってブルペンで投げていた。抑えられてよかった」。5月19日の札幌支部代表決定戦の公式戦デビューから続く連続無失点イニングを8回1/3まで更新した。

ピンチらしいピンチなく自己最速タイ143キロも
打たれた3安打は全て単打。得点圏に背負った走者は2度。ピンチらしいピンチはほぼなし。自己最速タイの143キロも記録。「真っすぐを強く投げましたし、スライダーを低めに、変化球も低めに集めて、長打を打たれないピッチングを意識して投げられたので良かったです」と、声を弾ませた。
森が背負う「13」は出世番号 あの大先輩も…
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OBでソフトバンク・木村大成投手(21)も1年春の札幌支部で背負った〝出世番号〟「13」をつける。昨年は中学硬式の札幌東リトルシニアで、道内主要大会3冠を達成。だが、日高リトルシニアの最速146キロ右腕・林将輝投手(大阪学院大高1年)が侍ジャパンU-15日本代表に選出され、U-15W杯で初優勝。「去年はずっと北海道では、林、林って言われて、正直悔しかったですけど、高校で結果を出そうと思って、高校で林に勝てるように、と思ってやってきた。北海道内では、今のところ順調です」。海を渡ったライバルとは、いつか最高の舞台、甲子園で雌雄を決する。

立島部長から「西武の平良のようになれ」
身長は170センチと高くはないが、目標とする存在がNPBにいる。西武の平良海馬投手(25)だ。森同様に173センチと高身長ではないが、八重山商高時代に150キロ超え。「立島先生には『高3には西武の平良のようになれ』と、ずっと言われている。あまり背が高くなくて、160キロ出る真っすぐと、鋭い変化球で抑えられるピッチャー」。長身じゃなくてもプロで通用する姿に勇気をもらっている。自身も「高3で150キロを超えられるようなピッチングができれば」と、日々の練習に励んでいる。
1962年から65年の4連覇に続く大会3連覇と、14度目の優勝が懸かる決勝戦。昨秋の新チーム発足後から、この日の白樺戦まで13試合で失策はわずか「1」。ここまで7試合連続無失策と堅守が際立つ。「守備も心強い先輩たち。先輩たちにはいろいろ助けてもらってるので、自分の投球をして恩返しできるように頑張ります」。将来のエース候補が、早くも存在感を増してきた。