《岩本勉のガン流F論》こういう時こそ新庄監督の言葉が効果的
■パ・リーグ11回戦 オリックス9-5日本ハム(5月14日、エスコンフィールド北海道)
河野は責められないが…
こういう時もある。リリーフ陣が負の連鎖を断ち切れなかった。5-3の八回、4番手で登板した河野がまさかの連続四球。これで流れは変わってしまった。続く福谷も押し出しを含む2四球。お次の斎藤は2死まで持っていったが、1番の広岡に逆転満塁弾を食らった。
河野は責められない。すべての登板で完璧な投球をすることはできない。ただ、あの2四球の影響は大きかった。その後の中継ぎ陣は思ったはずだ。「俺は四球を出してはいけない」と。その気持ちの揺らぎが、必要以上の力みを生み、また力むべきシーンで力めなかったりと誤作動を起こさせた。
「フォアボールは嫌だ投球」に本来の力なし
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大勢が決してしまった場面。八回、5-4の2死満塁で斎藤は打席に広岡を迎えていた。カウントは3-1。真ん中に投げるしかなかったのだが、四球への恐れが先立ってしまっていた。「フォアボールは嫌だ投球」には本来の力がなかった。
プロ初完封目前で食らった満塁弾
私にも経験がある。1996年6月19日のダイエー戦。球場は東京ドームだった。先発した私は八回までスコアボードに「0」を刻んだ。この試合、プロ初完封が懸かっていた。ところが九回、3連打で満塁とされ、打席に吉永さんを迎えた。最も苦手とするバッターだった(通算の対戦成績50打数25安打の打率.500、4本塁打11打点)。
フルカウントとなり、「打ち損じてくれるだろう」とストライクゾーンに投げ込んだボール。仕留めにいった球ではない。当然、そういうボールは打たれるものだ。満塁ホームランを食らった。結果的に6-4で勝利こそした。何より大きな教訓を得た。逃げの投球では決して打者を打ち取ることはできない。
チームの雰囲気を変えられる新庄監督の言葉
打たれることなく、四球が引き金となって敗れた。痛い負けだ。こういう時こそ、新庄監督の言葉が効果的だろう。「こんなんも、あるで」。そのぐらい言ってもらえたら、チームの雰囲気も軽くなるはずだ。
レイエスからも学びたい
レイエスは前日4打数4三振。それでもこの日は同点の2点タイムリーに一時勝ち越しとなる2ランをかっ飛ばした。マイナスを引きずらないのが彼のストロングポイントの一つだ。リリーバーは彼の時間の使い方、過ごし方を見て学ぶのも良いだろう。
最後に投手陣に言いたい。「仕留めにいけ!」