アマ野球
2025/05/10 20:45

札幌大女子硬式野球部の選手第1号・夏井良望がデビュー戦で2打点 花巻東高で昨夏甲子園準Vメンバー

ホーネッツレディースの一員として公式戦デビューした札幌大女子硬式野球部の夏井=撮影・西川薫

■女子硬式野球・北海道リーグ(5月10日、苫小牧・清水球場)
▽ホーネッツ・レディース5-6x札幌国際大 ※五回雨天コールドゲーム


 

今季はクラブチームの一員として

 昨春に創部した札幌大女子硬式野球部の選手第1号・夏井良望内野手(らみ、1年)が、10日に開幕した北海道リーグで公式戦デビューを果たした。部に所属する選手は夏井一人のため、今回はクラブチームのホーネッツ・レディースの一員として出場し、「8番・三塁」でスタメンにも選ばれた。高校時代は岩手・花巻東で昨夏の全国高校女子野球選手権で準優勝。この日の対戦相手・札幌国際大には高校のチームメート2人が所属し、いきなりの同期対決となった。五回には初安打と初打点もマークして存在感をアピール。部員数を増やし、来シーズン以降の単独出場やその先の目標である全国大会を目指すため、女子硬式野球部の存在を周知する〝宣伝活動〟にもつなげていく。

「軌道は見えていた」

 チームではただ一人、男子硬式野球部の白地に紫のユニホームをベースに随所にピンクを取り入れた真新しいユニホームに身を包み、ダイヤモンドで躍動した。3点を追う五回2死満塁の場面。夏井のバットから快音が響き、2者が生還した。「まず三振はしたくないなと思って、必ずバット振ることと、センター方向に持っていくことを意識しました。軌道は見えていたので、今日は打てるかなと思ってました。ヒットが打ててほっとしてます」。100点満点の大学デビュー戦を振り返った。

公式戦デビューした札幌大女子硬式野球部の夏井

 

今年1月に菊池雄星と対面

 花巻東高の男子硬式野球部のOBには、MLBで活躍する大谷翔平(30、ドジャース)や菊池雄星投手(33、エンゼルス)、さらに将来のメジャー入りに期待が掛かるスタンフォード大の佐々木麟太郎(20)らがいる。佐々木の妹・秋羽さんは夏井と同学年でチームメートだった。まだ大谷とは会えたことがないが、菊池とは今年1月に花巻市の「女子野球タウン」を認定する調印式で対面することができた。「すごいオーラ全開。身長も高くて、すごいなと思いました」と偉大なOBの姿に改めて感動した。

「0」から「1」って大変なこと

 札幌大への進学は将来の夢を達成するためだ。「教師と指導者っていう目標があって。既存のチームに入るより、新しいことを学べたり、勉強になる」と、創部して間もない女子野球部を選んだ。ベンチでこの日の戦況を見守った戸出直樹監督(49)は「やっぱり『0』から『1』って大変なことだなと(男子を指導していた)高校野球の時から思っていた。(夏井は)本当に一生懸命やる学生なので。練習をやっていても、こっちがそろそろやめようかと言うまで一生懸命に取り組む。札大女子野球部にとって、本当に素晴らしい学生が来てくれた」と目を細めた。

辞めたいと思った時もあったけど…仲間が救ってくれた

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい