元プロ・佐藤真一新監督率いる札大が快勝発進「考えること多い」【札幌6大学野球】
元プロ野球選手の佐藤真一新監督(左)と船尾HC(中央)の新体制の札大が初陣初勝利した=撮影・西川薫
■札幌6大学野球1部春季リーグ戦(5月1日、札幌円山)
▽第1節第1日 札幌大(1勝)7-1北海道文教大(1敗)
昨秋優勝の札大・佐藤真一新監督(59)と、2部から昇格した北海道文教大・高橋葉一監督(59)による〝東海大四高同級生対決〟は、昨秋から主力が多く残る札大に軍配が上がった。二回に1死満塁から併殺崩れで先制すると、続く三回1死一、三塁で5番・近藤大翔三塁手(4年)の中前適時打で追加点。近藤は七回にも適時打を放つなど、3安打2打点の活躍。35季ぶりのリーグ連覇へ好発進した。
初陣白星に「ほっとしますよ」
初陣を白星で飾った佐藤監督。「ほっとしますよ。途中、怪しかったですけどね」。サングラスを外すと、安堵した表情を浮かべた。プロ野球引退後、コーチ経験はあったものの監督業は初めて。「プロ野球はバッターならバッター、守備なら守備とか走塁を見ていたので。ピッチャーもあるし、いろいろあるので、考えることが多いなと思ってます。まあ、慣れていくのかなと。決断するのも大変」。新たなキャリアの第一歩を踏み出した。
札大の先発・宮田は、九回2死まで投げ、1失点の好投を見せた
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昨春コーチに就任。チーム改革に着手したが、監督となった今季はその勢いをさらに加速させる。特に内野守備に力を入れている。ノックでベンチ入りの内野手10人プラスアルファを対象に、連続でノーミス1周するまで繰り返す。それを達成すると、翌日は2周。徐々に増えていき、いまは5周目に挑戦中。三塁の近藤は「ひどい時だと、1人40球、30球とか受けることもあります。もう守ったら負けない、そういう考えで監督さんは言っています」と証言する。指揮官は「野球ってやっぱりピッチャーを含めた守備なんで、そこが良くないと勝てない。きょうは2つぐらいエラーがあったので、反省してやってもらいましょう」。堅守構築への道のりは始まったばかりだ。
大谷翔平ばりに○○○○ポーズ!?
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大谷翔平人気にあやかった。二回、適時打を放った近藤が一塁ベース上で、MLBロサンゼルスドジャースの大谷翔平らが長打を打ったときに見せる両手を挙げて左右に振るポーズを披露した。「自分だけッスね。ベンチがそんな感じで手(の動き)をやっていたので、合わせてやりました。これからも続けます」と胸を張った。
三回1死一、三塁から中前に追加点となる適時打を放ち、一塁上で〝大谷ポーズ〟を決めた札大・近藤
神宮大会の不調反省し打撃強化
昨秋の明治神宮野球大会では、1回戦で天理に0-1の惜敗。スタメン中6人が下級生で、「6番・三塁」でフル出場した近藤は3打数無安打に終わった。「去年から調子が悪くて、1割台、2割台だったので、今年はバッティングに力を入れてきた。ランナーは出ていたので、自分たちが1本出せば1点入るんですけど、やっぱり打てなかったので、今年は本当に力を入れました」。打撃フォームを見直した。投手を両目で見ることを意識して、若干オープンスタンスで打席に入る。「力が入ると、背中をピッチャーに見せると片目だけになるじゃないですか。それがダメだなと。バントもそうですね。バントも正対してやるのと一緒で、なるべくボールを両目で見ると見極めも(良くなる)。打率は4割を目指してます」。中軸として、最上級生として、打線を牽引する。
三回1死一、三塁から中前に追加点となる適時打を放った札大・近藤
高3の背番号13から、中軸に成長
近藤の旭川大高(現旭川志峯)3年夏の背番号は13番。当時、札大は春が最下位。秋は5位。決して強豪と言える大学ではなかった。「想像してなかったですね。自分も個人的にこういう(主軸の)立場になることを、目指してはいましたが」。昨春全日本大学選手権に出場した仙台大には、レギュラーとして活躍している高校時代の1学年後輩の広川稜太内野手(3年)がいる。「戦ってみたいのもありますし、後輩には負けていられないって感じですよね」。90年代には5季連続優勝するなど隆盛を極めた時代がある。強い札大を取り戻すため、まずは秋春連覇を成し遂げる。