髙尾瑠 痛恨のワンプレーを成長の糧に「イチから見直して、失った信頼を取り戻せるように」
前節で失点に絡むミスをしたDF髙尾(右)は、次節以降の巻き返しを誓う=撮影・宮西雄太郎
■5月8日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
名誉挽回へ再スタート
実直な男は、負った傷を知恵に変える。北海道コンサドーレ札幌のDF髙尾瑠(28)が全体練習に参加。前節の磐田戦でフル出場した疲労を軽減するため、リカバリーメニューに取り組んだ。
同戦で失点に直結するミスを犯した背番号2は、敗戦の責任を一身に背負い、次節以降の巻き返しを誓った。
30分を超えるミーティングを実施
上位チームとの4連戦を終えた札幌は、30分以上に及ぶミーティングを実施し、次節のいわき戦へ向けて動き出した。2-4と完敗だった磐田戦を除く3試合で好勝負を演じた選手たちは、それぞれの手応えと反省点を確認し、ピッチ上で汗を流した。

今季13試合にフル出場
今季リーグ戦14試合のうち13試合にフル出場する髙尾は、ランニングとストレッチで調整。練習から引き揚げる際には、前節の痛恨のワンプレーを含めてタフな連戦を振り返った。
「4連戦のうち3試合は良い感じでやれたけど、最後の試合は自分のミスで失点してしまった。本当に簡単なミスで、自分一人の問題。申し訳ない気持ちでいっぱいです」
猛省する開始直後のあのプレー
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猛省したのは、磐田戦の試合開始直後の出来事だ。最終ラインから送られたロングボールの目測を誤り、相手の突破を許して先取点を献上した。
「シンプルにボールの距離を見誤ってしまった。かぶってしまった感じです。自分の中に慢心や油断はなかったつもりだけど、どこかにあったのかもしれない。イチから見直して、失った信頼を取り戻せるように頑張りたい」と表情を引き締めた。
指揮官から贈られた言葉に感謝
ミスに焦点が当たることの多いDF稼業を、黙々とこなしてきた。札幌の最終ラインに安定感をもたらす男の、たった1度の失敗を簡単には責められない。
磐田戦後には岩政監督から「全然、気にしなくていい」と、ねぎらいの言葉を贈られた。髙尾は「僕が申し訳ないミスをしたのに…。ありがたいなと思いました」と指揮官の心遣いに感謝する。

次節のアウェーいわき戦で雪辱だ!
味わった悔しさは、ピッチの上でしか晴らせない。プロフェッショナルを貫き、失敗をバネに成長を遂げてみせる。
「次の試合に出ることができたなら、またイチから頑張りたい。こういう試合の後に、どんな試合ができるかで自分のキャリアは変わってくると思っています」
不本意な結果を正面から受け止め、前に進み続ける。職人は多くの思いを胸に畳み、フィールドで輝きを放つ。