冬季スポーツ
2025/02/02 12:00

【スマイルジャパン五輪最終予選へ】(後編) 攻撃の要・FW志賀紅音「他の人は持ってない力」

スウェーデンから苫小牧の日本代表合宿に合流したFW志賀紅=撮影・西川薫

姉との連続五輪出場を目指す志賀紅

 女子アイスホッケー五輪最終予選グループGが2月6日に苫小牧・nepiaアイスアリーナで開幕する。4大会連続5度目の出場を狙う世界ランク7位の日本代表〝スマイルジャパン〟は、グループGで中国(同12位)、フランス(同13位)、ポーランド(同20位)の3カ国と対戦する。苫小牧市内で事前合宿を行ったスマイルジャパンの注目選手へのインタビュー後編は、帯広出身で攻撃の要・FW志賀紅音(23)。22年北京五輪代表では2大会連続出場となった姉のDF葵(25)と共に姉妹で初出場。五輪後、北米や欧州に渡って磨き抜いた得点力で、攻撃陣の中心を担う。

【スマイルジャパン五輪最終予選へ】(前編)

 合宿中盤の1月28日、代表23人最後のピースがようやく合流した。昨年12月の4カ国トーナメントでは、デンマーク、ハンガリー、フランスとの3試合で志賀紅は2ゴール、2アシストで最多ポイント賞を獲得。8年前の最終予選はメンバーに入れず、スタンドから応援することしかできなかったが、今は違う。初めての最終予選も「(北京)オリンピックも経験して、海外でもプレーしてきているので、他の人は持ってない力をここで発揮して、日本のスコアに貢献できたら」。スマイルジャパンのエースとして4大会連続出場をけん引する。

初五輪2G1Aも力不足痛感し北米へ

 初出場の北京大会では、グループリーグ初戦のスウェーデン戦で初アシストをマークすると、2戦目のデンマーク戦では五輪初ゴール。グループ首位で迎えた準々決勝のフィンランド戦では0-1から同点ゴールを挙げた。5試合で2ゴール1アシストも、自身は力不足を痛感していた。「オリンピックで全然、結果を残せなかったというか、海外の選手との差をすごく感じた。欧州か北米で迷ったけど、ホッケーが盛んな北米でやりたい」と海を渡り、23年11月に北米のプロリーグPWHL・オタワ(カナダ)に移籍した。

海外修行で大きく成長した日本のエース・志賀紅=JIHF photo by 永山礼二

 

北米のリーグで学んだもの

 移籍当初は、プレースタイルに苦戦した。日本はパスホッケーが主体ということもあり、「パックを持ったらすぐシュートを打つだったり、ゴールに向かうのがすごい大事になってくるので、そこの対応が難しかった」。24年5月のシーズン終了後、契約は更新されなかったが、「自分の意見をもっと前面に出してプレーするのは北米の経験から学んだ」と収穫はあった。出場時間は少なかったが、世界最高峰のプレーヤーたちからシュート力を認められ、「いろんな選手からすごく褒められた。そこから自信にもつながりましたし、自分より上手な選手に言われると、モチベーションも上がった」という。

さらに欧州も経験したことで身につけたホッケーIQ

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