氷上の赤黒戦士がV2で日本代表たぐり寄せる 2月2日から横浜でカーリング日本選手権
日本選手権に意気込むコンサドーレの清水、阿部、佐藤、大内、敦賀爽(左から)=撮影・西川薫
最年長・阿部は選手で初の五輪目指す
カーリングの北海道コンサドーレ札幌が27日、神奈川・横浜で2月2日に開幕する日本選手権で2連覇に挑む。今大会を制すれば、2026年2月のミラノ・コルティナ五輪出場が決まった場合の日本代表に内定する。選手の年齢構成は最大23歳差。最年長の阿部晋也(45)はプレーヤーとしての悲願の五輪出場へ意気込みを語った。
「仕上がりは非常に良い状態」
約2時間、熱のこもった最終仕上げで準備は整った。札幌での練習はあと1日。サードで司令塔の阿部は「今シーズン、波もあったけど、順調にいろいろと積み上げてこられたので、準備はしっかりできている。仕上がりも非常に良い状態と個人的には思ってるので、このままこの勢いで日本選手権の初日を迎えたい」。ベテランらしく、落ち着いた口調の中にも、決意が滲み出た。
北京五輪は最終予選突破できず
チームは18年に発足。オリジナルメンバーで現在もプレーする阿部とフォース・清水徹郎(36)のベテランコンビを中心に、19年から21年までは大会3連覇。だが、21年12月の北京冬季五輪最終予選を突破できず、涙をのんだ。
フレッシュな選手が加入し体制整った 国内ランクトップ維持して挑む
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この4年間はフレッシュな選手たちが入ってきた。22年にフィフス・敦賀爽太(日本医療大4年)とリード・大内遥斗(北見工大4年)が加入。23年5月には1998年長野五輪の日本代表で、敦賀の叔父・信人(47)がコーチ兼フィフスとして加入した。昨年2月の日本選手権で3季ぶり日本一に返り咲くと、同4月にはセカンド・佐藤剣仁(24)が加入して5人が揃い、敦賀信がようやくコーチに専念できる体制にもなった。
チームの状態は順調だ。敦賀コーチは「今シーズン、カナダ遠征、北海道ツアーでなんとかポイントを重ねて、最終的にそのランキングもトップを取ろうと目標を立てながらスタートしました」とシーズン前の目標を説明。その言葉通り、北海道ツアーでは二つの大会で優勝。9月のカナダ遠征でも好成績を収め、最終的に国内ランクトップを維持しながら今大会を迎えることができた。
「あとは日本選手権連覇で、心置きなくオリンピックに向けて大会、合宿などを重ねて準備していきたい」。もし敗れたとしても、五輪への道が完全に閉ざされるわけではないが、大会連覇ですっきりと決めきるつもりだ。
日本選手権2連覇で日本代表を目指すコンサドーレのスキップ・阿部(中央)ら選手たち
ベテランと若手の融合
経験豊富なベテランと、フレッシュな若手の融合がチームの最大の強みだ。阿部は06年トリノと10年バンクーバーで女子日本代表監督として五輪に帯同。12年から選手に復帰した。
「僕や清水は経験もありますし、アイスの上だけじゃなくて、いろいろなところで学ばせてもらったことを若手に伝えてきた。逆に若いメンバーは勢いであったり、若さを僕らに持ち込んでくれて、非常に良いバランスでできている。それに経験豊富な、敦賀コーチが入ってくれて、良いチームになっている」
親子ほどの年の差も、うまく歯車は嚙み合っている。氷上の赤黒の戦士たちが8日間の長丁場を制し、日本代表をたぐり寄せる。