26年五輪一番乗りへスマイルジャパンが苫小牧で合宿開始 3大会連続出場のDF小池主将「集大成」
イルミネーション点灯式に出席したスマイルジャパンの(右から)小池主将、細山田、黒須、輪島=撮影・西川薫
カウントダウンイルミネーション点灯式に出席
アイスホッケー女子日本代表〝スマイルジャパン〟が、26年2月のミラノ・コルティナ五輪で4大会連続の出場へ、2月6日から苫小牧市で8年ぶりの最終予選に挑む。事前合宿初日の23日には市内リンクで氷上練習後、DF小池詩織主将(31)ら4選手が会場となるnepiaアイスアリーナでのカウントダウンイルミネーション点灯式に出席。今大会を集大成と位置づけるベテランが、自らの力で五輪出場をたぐり寄せる。
ミラノ・コルティナ五輪へ一番乗りだ! 北京五輪は20-21シーズンの世界ランキング6位で自動出場だったが、17年の平昌五輪最終予選以来、8年ぶりの負けられない戦い。小池主将は13年と17年の最終予選を知るベテラン3人の1人。「8年前に比べ、オリンピック予選経験者が少なくて、大体の人が未経験。初めてなので、緊張している選手もいると思うが、メンタルトレーニングを含めて、緊張の解き方はトレーニングしてきた。そこは楽しみながら迎えたい。若手選手もすごく自信をつけてきた。本番の大会で力を出しきれれば、必ず結果はついてくる」。最終予選開幕前まで、地元の男子高校生と3試合の強化試合を行い、2月6日の初戦・フランス戦へと向かう。
五輪最終予選への意気込みを語るスマイルジャパンの小池主将
初出場の14年ソチは女子大生だった
小池は日光出身。初出場の14年ソチ五輪の時は苫小牧駒沢大の現役女子大生。卒業後も苫小牧でプレーを続けてきた。「次の五輪で集大成という形で臨んでいます。今まで先輩方がつないできたものは、オリンピック予選に選ばれている選手たちでつないでいかないといけない」。現役最後の花道は、ミラノのリンクと決めている。
燃え尽き症候群で揺れたが、現役続行を決意させたのは
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チームの精神的支柱だ。日本アイスホッケー史上、最高位の6位入賞した22年の北京五輪後、FW大沢ちほ主将(32)やFW久保英恵(42)といった多くの選手が第一線を退く中、小池も燃え尽き症候群に陥った。現役続行か、引退か。揺れ動く心境の中、引退した久保から「このベテランの中から何人か残ってほしい、後につないでほしい」と小池ら数人に声がかかった。「私にはその責任がある。受け止めて、残ろう」と現役続行を決意した。
さらに26年へ向けての新体制では、大沢が3大会つけていたキャプテンマークを受け継いだ。就任して2年間は、若手とベテランとの世代間ギャップを埋めるために頭を悩ませた。「どうしても世代ごとで分かれてしまうところがあったので、私たちベテラン選手と若手選手の間に入る中堅選手何人かに『上と下をつないでほしい』と橋渡しを頼んだ」という。

22歳のFW輪島に白羽の矢
大役を任された1人が、FW輪島夢叶(22)だ。「去年なら、あまりコミュニケーションがうまく取れなくて、何人かのグループでいたところを、ちょっと外に出て、いろんな先輩方や後輩とコミュニケーションを取るようにした結果、今こうやって中堅層として、間を取り持てるようになった」。日に日に結束は強まっていき、一枚岩となって今回の最終予選を迎えた。
最終予選は、世界ランキング7位の日本がトップで、12位の中国、13位のフランス、20位のポーランドと続く。ミラノ行きの切符は1枚。6日の初戦相手フランスに敗れると、いきなり窮地に追い込まれる。「本当に初戦は大事な試合。ここで勢いをつけるか、つけられないかは、残り2試合に響いてくる」。8年前は3戦全勝で突破した苫小牧で、再び満開の〝スマイル〟を咲かせてみせる。
■五輪2大会連続出場中のDF細山田茜(32)
「2週間という短い中でもまだ時間はあって、自分たちの最終調整ができる時間もあると思う。細かい部分も磨きながら、最終予選を迎えたい」
■初めての五輪挑戦となる地元・苫小牧市出身のFW輪島夢叶(22)
「この1年間、毎月合宿をやってきて、チームとして作り上げてきたもの、個人でやってきたことには、今すごく自信を持っている。最終予選では、しっかり自信持って最後まで戦えるように頑張っていきます」
■稚内市出身のFW黒須若菜(24)
「初めての五輪最終予選になりますが、あまり緊張していなくて、すごく楽しみな気持ちが大きい。自分の持ち味であるハードワークでチームの役に立つプレーをできるよう頑張りたい」