冬季スポーツ
2021/12/07 15:43

森重がW杯初V、スピードスケートW杯男子500m

W杯男子500メートルで森重は日本人2人目となる33秒台を出して初Vを飾った(ロイター=共同)

 スピードスケートのW杯第3戦最終日は5日、米ソルトレークシティーで行われ、男子500メートルは森重航(専大3年、別海上風連中出)が日本勢2人目の33秒台となる33秒99で初優勝した。女子1500メートルは高木美帆(27、日体大職、帯南商高出)が自身の世界記録まで0秒16に迫る1分49秒99で圧勝し、開幕3連勝。北京五輪代表入りを確実にした。また、スノーボードハーフパイプの日本代表で、札幌市出身の松本遥奈(28、クルーズ)がオンライン取材に応じた。

日本勢2人目の33秒台を記録

 男子500メートルの森重が日本勢で2人目となる33秒台を叩き出した。ゴールを滑り抜けると、何度も右拳を突き上げて満面の笑み。成長著しい21歳の新星は「狙って出せるタイムではない。本当に自分の力を出し切ったので非常にうれしい」と喜んだ。
 この日は最後のカーブがきつくない得意のインスタート。「バックストレートで本当に全力でというか、トップスピードに乗れるように」とためらいなく加速した。どの選手も自己ベストを狙う高地のリンクで、2位だった2日前の34秒09をさらに更新した。
 今季、彗星(すいせい)のごとく男子短距離界に現れた。昨季まで同種目は、新浜立也(25、高崎健康福祉大職、釧商高出)と村上右磨(28、高堂建設)が2トップで君臨していたが、今年10月の全日本距離別選手権(長野)で2強を抑え、森重が初優勝。日本の頂点に立つと初参戦のW杯でも計3度の表彰台に上がり、実力を示してきた。
 五輪までの距離は着実に縮まっている。だが、前日には24歳の松井大和(シリウス、鹿追高出)が初優勝。代表争いは世界レベルの大混戦となってきた。北京五輪の同種目代表枠は最大3。若きスプリンターが初の五輪切符をつかみ取れるか、注目だ。

高木美帆がW杯開幕3連勝、女子1500m

 残り2周。女子1500メートルの後半に入った高木美がぐっとギアを上げた。「うまくスピードに乗れた」。3シーズン前の世界記録は序盤から飛ばして樹立。今回はラップの落ち幅を最小限に抑えての展開で圧勝。戦術の幅広さを印象づけた。
 主戦場とするこの種目はレース経験が最も豊富で、(400メートル)4周弱のペース配分を長年、試行錯誤してきた。開幕3連勝の結果だけでなく、滑りの内容も充実しており「全体的にベースは上がっている」とうなずく。
 北京五輪で金メダルに最も近い種目での快進撃に、本番への期待は膨らむばかり。本人は「五輪はまた別物」ときっぱり。油断することなく、悲願の頂点へ突き進む。

松本 連続五輪目指す、女子スノーボード

  平昌五輪で6位入賞した松本は「今年も楽しむことを一番に考えながら大会に出場したい。そこに成績がついてきたらいい」と、2大会連続の大舞台を見据えた。
 五輪シーズン本格化を前に、米国などで合宿を重ねてきた。W杯や五輪での上位進出を見据え、新技の習得に取り組んできたと言い、「上を目指したときに新しい技が必要になってくる。北京五輪に間に合わせる気持ちで練習していきたい」と話した。
 今季のW杯は9日に米国で開幕する。次々と若手が頭角を現し、代表争いが激しさを増す中、「プレッシャーはあまり感じていない。自分ができることをやるだけ」と力を込めた。

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