アマスポーツ
2023/11/18 21:00

元コンサドーレ札幌・ビジュの息子 佐藤ラニ海が14得点で北海道科学大高が男子制す【春高バレー北海道予選】

3年ぶり4度目の優勝を飾った北海道科学大高の佐藤ラニ海(右)と、父の元サッカー・コンサドーレ札幌のMFビジュ(撮影・西川薫)

■全日本バレーボール高校選手権北海道代表決定戦 最終日(11月18日、札幌・北海きたえーる)

▽男子準決勝 北海道科学大高2-1札幌大谷、東海大札幌高2-1札幌藻岩
▽同決勝 北海道科学大高2-0東海大札幌高

3年ぶり4度目の全道チャンピオン

 北海道科学大高が2連覇中の東海大札幌高をストレートで下し3年ぶり4度目の優勝を果たした。決勝でチーム最多14得点と活躍した2年生エースの佐藤ラニ海(ラニカイ)の父は1999年から2002年までコンサドーレ札幌でプレーしたビジュ氏(49)。父親譲りの跳躍力を生かして、初の東京体育館へ乗り込む。

身長190センチ、最高到達点340センチ

 2年生が主体のチームの中でも佐藤の存在感は際立っていた。身長190センチ、最高到達点340センチ近くまで達する高さから繰り出すスパイクを武器に、決勝はレフトからの強烈なスパイクで幕を開けると、ライト、バックアタック、サービスエースとコート狭しと躍動。夏まではミドルブロッカー(MB)だったが、今大会からオポジット(OP)にコンバート。初優勝した2017年から公式戦で一度も勝てていなかった難攻不落の王者をストレートで下し3年ぶりの王座奪還を果たし「本当に最高です」と声を弾ませた。

第1セット、スパイクを放つ北海道科学大高の佐藤ラニ海(奥)(撮影・桶谷駿矢)

 

父もびっくり、赤黒ユニホームで戦う

 父同様、赤と黒のユニホームがよく似合う。とび職で忙しい父が母と妹と一緒に初めて応援に駆けつけた。ビジュ氏は現役時代、170センチ台半ばの体ながら、高い跳躍力と豊富な運動量を武器にボランチとしてチームの勝利に貢献。自身の現役時代同様、赤と黒のユニホームで戦う息子の姿に「コンサドーレっぽい、びっくりした。赤と黒、(サブも)白と赤と同じだ」と懐かしそうに笑みを浮かべた。

佐藤「サッカーは自分には合わないかな」

 佐藤はビジュ氏がヴァンフォーレ甲府在籍時に山梨県で生まれた。下の名前「ラニ海」はハワイ好きの両親が有名なビーチから命名。父の引退後、物心つく前に家族で札幌に転居した。「サッカーもちょっとやってたけど、自分には合わないかなって、小学校ではテニスをやってた。中学校は帰宅部だったけど、1年の夏休みにバレー部の顧問の先生や元々バレー部に最初から入ってた同級生から声かけられて、今までやったことないから、やってみようかな」とバレーボールに打ち込んだ。

ビジュ氏「将来は代表でみたいなね。がんばって」

 バレーボールを始めた長男に、ビジュ氏は「びっくりした。すごい頑張ってた。うれしそうだった。最初はなんで(自分は)サッカーやってるのにバレーって思ったけど。将来は代表でみたいなね。がんばって」と心から応援する。佐藤は「自分は細い。跳ぶのは、やっぱり(父が)ボランチだったので共通している。ジャンプ力は受け継いでいるのかな。あと負けず嫌いとか。今まで送迎とかで支えてもらっていた。優勝を見せることができ、うれしい」と少しだけ気恥ずかしそうに一緒の写真に収まった。

辻監督「3年間で作っていきたい」と英才教育

 佐藤のポテンシャルを見越してOPにコンバートした辻克典監督(36)は「将来、トップの大学でもバレーやってほしい。ミドルをさせてたら先はないので、まずは段階としては、ここで打つ専門。最終学年はサーブレシーブを狙われ続けても、自分で取って自分で打つところまで3年間で作っていきたい」と期待を寄せる。

「全国でも自分が決めまくる意識でやっていきたい」

 3年ぶり6度目の大舞台。目指すは初出場した17年の16強超えだ。「しっかり決め切れるエースになって、全国の舞台でも少しでも勝ち上がれるように、3年生をオレンジコートまで連れていけるように、自分が決めまくる意識でやっていきたい」。赤黒軍団のエースが大舞台でもゴールではなくスパイクを叩き込む。


 


■3連覇を阻まれた東海大札幌高のOP二川颯斗主将(3年)
「去年の春高と今年のインターハイでは、全国では勝てていない。ずっと古豪って言われている。昔は強かったといわれているよう。古豪と言われないような勢いでやっていきたい」

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