プロ野球
2023/11/13 19:00

北海学園大初のアナリスト・加藤拓光さんが西武入り 2軍バイオメカニストに就任

NPB西武入りが決まった北海学園大硬式野球部の加藤拓光アナリスト(中央)=撮影・西川薫

病気で選手の道を諦め

 札幌学生野球秋季リーグを制した北海学園大硬式野球部で2022年からアナリストを務める加藤拓光さん(23)が、NPBの西武ライオンズにバイオメカニストとして〝入団〟することが決まった。札幌旭丘高1年秋に起立性調節障害を発症。選手としての道は諦めざるを得なかったが、大学4年の昨春に同大初のアナリストとして入部。卒業後の23年秋まで約2年間、データ分析などでチームの勝利に貢献した。今度は国内最高峰の舞台で優勝を目指す一員として活動を開始する。

「人生で一番濃い2年間」

 加藤さんは「あっという間に2年たった。最後に1回優勝できて良かったなと思いますし、人生で一番濃い2年間だった。高校の時はほんとに楽しめなかったので、みんなに囲まれてオフもみんなと一緒に過ごして。ちょっと言葉に表せない関係。先輩、後輩って感じでもないし、友達ともまたちょっと違う。弟みたいなところもあります」。名残惜しい思いを胸にしまい込み、旅立つ。

高校1年で発症

 人との出会い、仲間との出会いが、病に苦しんでいた加藤さんの道しるべになった。元々片頭痛持ちだったが高校1年の秋頃「薬を飲んでも効かなくて。明らかに体調がおかしくて。その頻度が高くなって、気づいたら毎日、頭が痛い、動けないって感じになってきた」。野球はおろか、日常生活にも支障をきたした。

周りのサポートで高校卒業

 発症直後から約半年間学校を休んだ。「相当配慮してもらいました。単位制なので、全部取ったら卒業要件を大きく超えるので、実は結構休んでも大丈夫。それでも1時間目、特に朝とかは厳しかったので、朝の授業は単位を落として取れるところを取った。テストは保健室で受けたりしていた。とにかく周りの先生方にサポートしてもらっていた」。北大を志望していたが、1浪の末、午後から授業のある北海学園大の2部に進学した。

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