北海学園大の159キロ右腕・工藤泰己が広島から指名あいさつ 「平均球速160キロ以上」目指す
オリックスから指名あいさつを受けた北海学園大の工藤(中央)と父・典幸さん(左)=撮影・西川薫
広島から4位指名
23日のプロ野球ドラフト会議で広島から4位指名された北海学園大の工藤泰己投手(4年、北海)が28日、同大で白武佳久スカウト統括部長(65)と近藤芳久スカウト(60)から指名あいさつを受けた。即戦力の159キロ右腕は、「平均球速160キロ」という唯一無二の存在を目指していく。
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プロで戦う心構えは4年前からできている。「きょうの指名あいさつに限らず、この4年間、毎日プロ野球で投げている姿を想像しながら練習とかトレーニングしてきた。心境の変化は特にないですけど、これからより注目されると思いますが、これまで通り勘違いすることなく、自分らしく過ごしていきたい」。平常心でプロの世界へ飛び込む。

うまく条件が合えば到達できる範囲
今季の平均球速は、中継ぎなどの短いイニングで154キロ。「筋肉量と筋出力がこれからもっと大きくなると思うので、うまく条件が合った時に、平均球速160キロが見えてくる。頑張れば本当に到達できる範囲だと思います」。投手として本格的なトレーニングをしてからまだ4年。伸びしろは無限大だ。
ドラフト後、恩師の次男で侍ジャパン大学日本代表候補合宿で仲が深まった広島1位指名の仙台大・平川蓮外野手(4年、札幌国際情報高)や、アマチュア時代に同じパーソナルトレーナーに指導を受けてい縁で顔見知りだった、広島・滝田一希投手(星槎道都大)から連絡が来た。またLINEには知人、友人らから100件以上の祝福メッセージが届いた。
オリ5位指名の高谷と中学時代に在籍した軟式クラブは
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工藤は中学時代、オリックス5位指名の高谷舟(北海学園大4年)と軟式クラブ「T・TBC」のチームメートだった。代表は元ヤクルトの高梨利洋さん(51)が務め、兄で元巨人の芳昌さん(55)がコーチを務める。2人は3期生として、初の全国大会出場を果たした。チームの方針で2人とも投手を経験。高校、大学で飛躍する土台が築かれた。ドラフト翌日にはあいさつに訪れ「これからのプロ野球の中での過ごし方とか、よく教えてもらいました」とエールをもらった。
軟式クラブ「T・TBC」が結成した2015年の集合写真に納まる高梨芳昌さん(三列目左端)と高梨利洋さん(三列目右端)
北海高の先輩である父が同席
この日は北海高の先輩でもある父・典幸さん(56)も出席。工藤は中学まで捕手が本職だったが、北海高2年の時、一度だけ野球を辞めそうになった時があったという。「キャッチャーをクビになったとき。辞めたいと言うか、つらくなってきた。そこで挫折しそうになりましたけど、高校も大学もチームメートに恵まれましたね」。そんな過去が頭をよぎり、指名あいさつの途中に感極まるシーンもあった。
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工藤は「自分が野球を始めた時から両親に姉、家族にすごく支えてもらってきた。すごく喜んでくれてました。これからは、受けた恩をプロで活躍して返したいと思っている。今後も一番身近な存在になると思うので、これからは自分が結果で返せるように頑張りたい」と広島の地からの親孝行を誓った。