アマスポーツ
2023/10/03 20:00

【クラーク高サッカー部の挑戦】前編 創部4年目で全道大会初出場 〝アジアの渡り鳥〟伊藤壇監督が不登校生を鍛え上げ

〝アジアの渡り鳥〟伊藤壇初代監督(中央)は、創部4年目で初めて全国高校サッカー選手権北海道大会出場を果たした(撮影・西川薫)

21日、苫小牧で岩見沢緑陵と全道初戦

 年末年始の風物詩、全国高校サッカー選手権の北海道大会が10月21日に苫小牧で開幕する。創部4年目で初出場を果たしたクラーク札幌大通キャンパスは21日の1回戦で岩見沢緑陵と対戦する。指揮を執るのは札幌市出身で現役時代に国内外22カ国・地域でプレーした〝アジアの渡り鳥〟元プロサッカー選手の伊藤壇監督(47)だ。現役引退翌年の2020年4月に同校が連携協力を結んだコンサドーレ北海道スポーツクラブから派遣され、初年度は部員3人からスタート。わずか3年半で全国への第1関門を突破した。今年の全道決勝は11月12日に札幌ドームで初開催される。

伊藤監督「まずは初戦突破。一戦一戦ハードーワークして」

 いよいよクラークが全道初陣に挑む。9月10日の札幌支部のブロック決勝は5-0で札幌東陵に完封勝利。伊藤監督は「まずは初戦突破ですね。初出場なんで失うものは何もないんで。目の前の一戦一戦ハードーワークして一つでも多く上に行けるように」と意気込んだ。

登別大谷高で全国高校選手権に初出場16強

 伊藤監督は、登別大谷高3年時に全国高校選手権に初出場で16強入り。仙台大を経て1998年にJFLブランメル仙台(現ベガルタ仙台)に攻撃的MFとして入団。23試合に出場しJ2昇格に貢献した。その後は2000年のシンガポールリーグを皮切りに、インドネシアや香港、マレーシアなど19年のグアム・ローヴァースFCで引退するまで22カ国・地域でプレーを続け、いつしか〝アジアの渡り鳥〟と呼ばれるようになった。

「将来的にはアジアの国の代表監督になりたい」

 指導者を志したきっかけは現役終盤の16年。「キャリアの初めの方は全然指導者になる選択肢はなかった」が、札幌でサッカースクールを立ち上げ中学生以下を指導。「将来的にはアジアの国の代表監督になりたい夢があって、協会の人と話した時に日本のどこかのチームを指導しなきゃダメということだった。高校サッカーに興味があったんで、いいタイミングで話をもらった。ただ、やるからには中途半端に自分の夢を追い求めることはできない。責任を持って子供を預かってる。初代監督なんで、自分の中では全国大会に出場させるまでは僕の責任」と覚悟をもって引き受けた。

監督就任直後、部員はわずか3人

あわせて読みたい